ワークフローシステムとは、社内の各種申請・承認などの手続きを電子化できるツールのことです。
建設業は、元請けから一次請け、二次請けと複数の業者が連なり、関係者が多くなりがちです。「事務作業の煩雑さを解消したい」「ペーパーレス化を進めたい」といった課題を抱えている建設会社も少なくないでしょう。これらの課題解決につながるのが、ワークフローシステムの導入です。
本記事では、建設業でワークフローシステムを導入するメリットを詳しく解説し、おすすめのツール6選を比較して紹介します。建設業におけるワークフローシステムの選び方も解説するので、ぜひ参考にしてください。

1.ワークフローシステムとは

ワークフローシステムとは、企業における各種申請・承認などの手続きを電子化できるITツールのことです。「稟議システム」や「電子承認システム」と呼ばれることもあります。
ワークフローシステムでは、従業員が稟議書や経費精算書などを起票して、上長のチェック・承認を経て最終決裁を得るプロセスを電子化します。承認・決裁のプロセスがスピーディーになり、意思決定の迅速化につながる点がメリットです。
従来のように、紙やエクセルで手間をかけて書類を作成して印刷し、ハンコを押す必要はなくなります。社内の「ペーパーレス化したい」「ハンコを廃止したい」といった課題も解決できるでしょう。

①機能

ワークフローシステムの基本的な機能は、次のとおりです。

申請処理機能 経費申請や休暇申請、稟議書の起票など、さまざまな内容の申請ができる機能
承認・決裁機能 申請者からの内容を確認し、承認・決裁ができる機能
権限設定機能 申請内容の共有時に必要な担当者を指定し、閲覧・編集権限を設定できる機能
連携機能 社内で利用している他のシステム(経費精算・文書管理など)とデータ連携できる機能
電子印鑑の作成機能 社内規程などで印影が必要な場合、電子印影を作成できる機能

2.建設業における承認業務に関する課題

建設業において「承認業務を、もっとスピーディーにできないだろうか」といった悩みを抱えている企業も少なくありません。ここで手間や時間がかかってしまう背景を考えてみましょう。

①紙のやり取りが多く手間がかかる

現場によっては申請書類が膨大になり、承認や決裁まで時間がかかってしまう点が課題です。契約書や見積書、請求書、さらには図面や工程表など、紙のやり取りが必要な場面も多く見られます。

さまざまな業界で「DX推進」といわれている昨今、「脱・紙文化」を課題として掲げる建設関連の企業も少なくありません。

しかし建設業界はピラミッド構造になっており、元請けから一次請け、二次請けと複数の業者が連なることで関係者が多くなりがちです。そこでワークフローシステムを導入すると、関係者間で申請業務の効率化が実現します。

②進捗状況を把握できない

建設業では書類の取り扱いが煩雑になりやすく、上長の承認が必要な書類が増えると「進捗状況を把握できない」という状況に陥りがちです。「誰が」「何をチェックしているか」を追跡できず、承認フローが不透明になります。
たとえば上長が外出や出張で不在のため、書類に目を通すことができないと、承認作業は途中でストップしてしまうでしょう。数日後、無事に確認してもらえたとしても、記入ミスなどがあれば、申請者に差し戻されてしまうケースもあり得ます。また書類を取り扱う関係者が、途中で書類そのものを紛失してしまうリスクもあるでしょう。
紙を使った申請では、進捗状況を正確に把握することは困難であるため、ワークフローシステムの導入が求められています。


>>建設業向けワークフローシステムが使える『現場クラウドConne』はこちらから!

3.建設業がワークフローシステムを導入するメリット

ワークフローシステムを導入することで、以下のメリットを得られます。

● ペーパーレス化
● 意思決定の迅速化
● 業務効率化
● 承認プロセスの透明化

それぞれの詳細を解説します。

①ペーパーレス化が促進される

ワークフローシステムは申請業務を電子化できるため、紙の利用が必要なくなり、ペーパーレス化の促進につながります。
紙の申請書類をたびたび作成する場合、紙代やコピー料金、保管コストが伴います。しかしペーパーレス化が実現すれば、これらのコストを削減できるでしょう。
また、電子印の利用で脱ハンコも促進され、現場からハンコを押すために事務所へ戻ってくる必要もなくなります。

②意思決定が迅速化する

ワークフローシステムの活用で、意思決定が迅速化します。

書類のやり取りでは、相手に対してメールや電話、対面などで「何日までにご確認をお願いします」などと連絡する必要があります。しかしワークフローシステムを活用すれば、システム上の回覧や承認作業だけで済む点がメリットです。
上長が現場や出張先にいても、書類を届けに本社へ戻ったりする必要はなくなり、スピーディーな承認作業が実現するでしょう。

③記入ミスが削減し業務効率化につながる

ワークフローシステムの活用で記入ミスを低減させることができ、承認業務を効率化できます。

書類で記入ミスが見つかった場合には、再度作り直すなど、大きな手間がかかります。しかし、ワークフローシステムなら簡単に記入ミスの箇所を修正できます。
さらに、入力時の記入漏れに対してアラート表示をしてくれるシステムもあります。記入ミスの多さに課題を抱えている企業であれば、入力補助機能を搭載したシステムを選ぶと、ミスを大きく低減できるでしょう。

④内部統制を強化できる

ワークフローシステムで承認プロセスの進捗状況を可視化できます。申請に関する社内ルールを明確化して運用することで、内部統制の強化につながるでしょう。
具体的には、適切なフローを踏んでいない申請を迅速にチェックできるようになり、不正防止につながります。また承認プロセスの履歴(承認者、タイムスタンプなど)がシステムに残るため、不審な動きがあった場合は迅速に検知できるようになるでしょう。

4.建設業におすすめのワークフローシステム6選を比較

ここからは、建設業におすすめのワークフローシステム6選を比較しながら紹介します。

システム名 初期費用 ランニングコスト 主な機能
現場クラウドConne 0円 月2万円〜 (20名+ゲストユーザー50名まで) ・電子印
・添付ファイルや注釈の追加
・その他(メッセージや写真の共有、図面や工程表などのデータ管理、重機や人のスケジュール管理など)
ジョブカンワークフロー 0円 月300円〜 (1名あたり) ・入力内容の自動制御(記入ミス防止)
・外国語表示
・スマホアプリ対応
・外部システム連携
コラボフロー 0円 月500円〜(1名あたり) ・Excelファイルを電子申請書・稟議書に変換して起票・回覧
・承認プロセスでの相談チャット
・電子印
・複数申請書の一括承認
・英語対応
X-point Cloud 0円 月500円〜 (1名あたり) ・入力補助(記入ミス防止)
・CSVファイルで一括申請
・代理申請
・ゲスト申請(社外ユーザー向け)
・ファイル添付
・画像埋め込み
・電子印
・スマホアプリ対応
・細かな権限設定
・外部システム連携
rakumoワークフロー 0円 月300円〜 (1名あたり) ・テンプレートから起票
・自動計算機能
・代理申請
・代理承認
・ファイル添付
・外部システム連携
MAJOR FLOW Z 5万円種 月3万円〜 (50名まで) ・テンプレートから起票
・複数申請書の一括申請
・電子印
・自動計算機能
・Excel印刷
・PDF印刷
・外部システム連携
※弊社で確認できた範囲です。詳細は各企業にお問い合わせください。

①現場クラウドConne

出典:現場クラウドConneのホームページ

特徴

● 自社・現場・協力会社の情報共有を円滑にする、建設業向けの業務効率化システム
● 従来の紙を使った稟議書のイメージをクラウド上で再現
● ワークフロー機能以外にも、写真、図面、工程表、スケジュール表などの情報を一元管理できる

費用

初期費用 0円
ランニングコスト 月2万円〜 (20名+ゲストユーザー50名まで)
無料トライアル 無料デモの提供あり
その他追加費用 データ容量追加(100GBごと) +2,000円/月

お客様の声

● データ共有の環境を見直し、業務効率化につながりました
● パソコンから確認できる情報が増え、協力会社とのスムーズな連携を促進。担当者が現場に集中できる環境になりました

②ジョブカンワークフロー

出典:ジョブカンワークフローのホームページ

特徴

● 申請・承認にかかる時間を約3分の1に削減でき、意思決定を高速化
● 導入実績20万社
● 直感的に使いやすい画面

費用

初期費用 0円
ランニングコスト 月300円〜 (1名あたり)
無料トライアル あり(30日間)
その他追加費用 経費精算システムも連携させて利用可能 (経費精算・支払依頼に特化した申請書の作成)
+300円/月(1名あたり)

お客様の声

● 「ジョブカンしておいて」というコミュニケーションが生まれるほど、社内になじみました
● 承認までの時間と手間が大幅に削減されました

③コラボフロー

出典:コラボフローのホームページ

特徴

● かんたん操作、充実の機能
● 今まで使ってきたExcelベースの申請書をそのままデジタル化できる
● システム導入後も、自社内でメンテナンスしながら使い勝手を改善できる

費用

初期費用 0円
ランニングコスト 月500円〜 (1名あたり)
無料トライアル あり(30日間)
その他追加費用 英語対応、帳票出力 +300円/月(1名あたり)

お客様の声

● 1帳票あたりの手間が導入前の5分の1になりました
● 決裁スピードが従来の3分の1に短縮されました

④X-point Cloud

出典:X-point Cloudのホームページ

特徴

● 申請・決裁業務の電子化で国内シェアNo.1
● 紙の帳票イメージをそのまま電子化できる
● 社内で利用しているチャットツールやグループウェアなど、各種外部システムとの連携が可能

費用

初期費用 0円
ランニングコスト 月500円〜 (1名あたり)
無料トライアル あり(30日間)
その他追加費用 グループウェア連携 +150円/月(1名あたり)

お客様の声

● 紙の帳票の電子化により、申請業務の時間を約50%削減できました
● 従来、無駄の多かった部門間連携を業務改善できました

⑤rakumoワークフロー

出典:rakumoワークフローのホームページ

特徴

● 申請・承認フローを簡単にデジタル化
● ハンコ出社をなくし、ペーパーレス化を推進
● Google Workspaceと連携可能

費用

初期費用 0円
ランニングコスト 月300円〜 (1名あたり)
無料トライアル あり(30日間)
その他追加費用 ローカルファイル添付オプション +年15,000 円 / 50GB
申請書類を一括ダウンロード(監査・バックアップ用) +15,000円 /150回

お客様の声

● 約5週間かかる全部署の回覧が、約1週間にまで短縮されました
● 請求書回覧が1週間から2日に短縮。デジタル化で業務スピードと作業効率が大幅に向上しました

⑥MAJOR FLOW Z

出典:MAJOR FLOW Zのホームページ

特徴

● 誰でも簡単な操作で申請書フォームを作成できる
● 複数の申請書を紐づけ可能
● 金額の自動集計も可能

費用

初期費用 5万円
ランニングコスト 月3万円 (50名まで)
無料トライアル あり
その他追加費用 クラウド版だけでなく、パッケージ版もあり

お客様の声

● 承認・回覧方法が地域や部門ごとに異なっていましたが、全社的に統一され業務効率化が推進されました
● 経費精算の申請起票から、経理担当社による銀行へのデータ送信まで、スムーズに作業が進むようになりました

5.建設業におけるワークフローシステムの選び方

建設業でワークフローシステムを比較検討し、選定する際には、3つのポイントに着目すると良いでしょう。

①承認フローを簡単に設定できる

承認フローを簡単に設定できるシステムを選びましょう。建設業は工事プロジェクトによって、関係者や確認が必要な書類などが異なり、たびたび承認フローを変更する必要があるからです。

ワークフローシステム上で承認フローの変更操作が難しいと、毎回システム担当者に依頼して設定し直す必要が出てきます。そのため、現場関係者が簡単に承認フローを設計し、分岐できるワークフローシステムを選ぶと良いでしょう。

②必要な機能が搭載されている

「自社にとって必要な機能が過不足なく搭載されているか?」という視点も大切です。
あまりに機能が豊富で、実際に自社内で使用しない機能が数多くあると、画面が複雑になって担当者が戸惑ってしまいます。また高額なランニングコストを支払っても、使わない機能の方が多い場合には、コストパフォーマンスが下がる可能性もあるでしょう。

まずは自社に必要な機能を洗い出すことから始めることが重要です。

③操作画面がシンプルで使いやすい

建設業では、ITツールに抵抗がある人も少なくありません。導入後、社内にしっかりとシステムを定着させ、業務効率化を実現するためには、誰でも使いやすいワークフローシステムを選ぶことが大切です。

④サポート体制が充実している

導入後のサポート体制の充実度合いも重視しましょう。手厚いサポートがあれば、運用開始後、システムに関するトラブルや疑問点が生じた場合でも、迅速に解決できるでしょう。

一方、十分なサポートを受けられない場合、「わからない」「使いにくい」といった理由から、システムの利用そのものが社内に浸透しない恐れもあります。せっかくコストをかけて導入しても形骸化してしまうので、充実したサポートを提供しているシステムを選びましょう。

6.無料のサービスにデメリットはある?

ワークフローシステムの中には、無料で利用できるサービスもあります。
しかし無料のサービスはサービスアップデートの頻度が低く、セキュリティ面での脆弱性が懸念されます。万が一、外部からの不正アクセスなどサイバー攻撃に合ってしまった場合には、情報漏えいのリスクも考えられます。
建設業では顧客情報や図面データなどの機密情報を多く取り扱うため、無料のサービスは避けた方が良いといえるでしょう。有料のサービスでも無料のトライアル期間を提供している場合もあるため、利用して操作感を確かめてみることをおすすめします。

7.ワークフローシステム選びに迷ったら

「製品の選択肢が多くて迷ってしまう」「建設業に向いているワークフローシステムを選びたい」とお考えの企業には、建設業に特化した「現場クラウドConne」がおすすめです。

①Conneのワークフロー機能

「現場クラウドConne」のワークフロー機能は、現場のお客様の要望から開発されました。
シンプルな画面で誰でも容易に操作でき、複雑な初期設定は不要です。印影画像を自動作成し、導入したその日からすぐに稟議書の作成・回覧ができます。
申請書や稟議書には、PDFファイルも添付可能です。気になる点や疑問点があれば注釈も付記できるため、申請者と承認者の間で必要な情報共有を効率化できます。
また国際セキュリティ資格「ISO27001」を取得しており、機密情報の漏えい対策や各種ソフトウェアのセキュリティ対策を実施しているため、安心してご利用いただけます。

関連リンク:現場クラウドConneに待望の新機能『ワークフロー機能』が登場!

8.まとめ

本記事では、建設業でワークフローシステムを導入するメリットや、おすすめのツール6選を比較して紹介しました。
建設業においてワークフローシステムを選定する際は、自社が必要とする機能を過不足なく見極め、「社内全員にとって使いやすいシステムだろうか」という点を追求すると良いでしょう。システム導入後の定着、そして業務効率化の実現のために重要な視点です。

弊社が提供する「現場クラウドConne」は、建設業に特化した業務効率化ツールです。ワークフローだけでなく、図面の共有やチーム間でのメッセージのやり取りも可能です。情報共有が促進され、社内だけでなく協力会社との情報共有不足によるムダを削減します。また、運用方法の提案や勉強会の開催などを実施し、効果的にツールを活用するためのサポート体制を整えています。
建設現場の業務効率化をされたい企業さまは、現場クラウドConneをぜひ、ご検討ください。


>>建設業向けワークフローシステム『現場クラウドConne』はこちらから!

SNSでシェア