建設業界では現場に携わる人が多く、関係者と様々な会議を実施し意思決定を行います。一方で、中には会議に時間を取られてしまい、施工業務に影響が出てしまっているケースもあります。そこで、今回は会議の無駄を減らす取り組みと、実際に成功した会社の事例をご紹介していきます。
目次
1.建設業で行われる代表的な会議の種類
2.建設業で会議の無駄を無くすべき理由
3.会議の無駄 特徴6選
4.会議の無駄を減らす取り組み例9選
5.会議の無駄を減らす取り組み事例3選
6.情報共有の効率化で会議の無駄を減らすならConne
7.まとめ
1.建設業で行われる代表的な会議の種類
建設業界には様々な会議が存在します。その中でも代表的な3つの会議をご紹介します。
①工程会議
定例会議とも言われ、建設プロジェクトの進捗状況や課題、対策などを共有する会議です。現場監督や設計者、施工業者などの関係者が参加し、進捗管理や調整を行います。毎週1回の場合もあれば、毎月1回数時間使って行う場合もあります。
②安全衛生会議
安全会議、衛生会議とも言われ、建設現場での安全管理に関する会議です。現場では高所作業や重機作業など危険が伴う作業が多く、安全管理が非常に重要な課題となっています。安全衛生会議は、安全規定や作業方法などについて確認し、安全管理の取り組みを強化するための意見交換を行う場です。
③経営会議
経営に関する会議です。安全衛生管理や品質管理の取り組み、人材育成や採用戦略、企業の財務状況やキャッシュフロー管理、法令遵守などが話し合われます。また、建設業界は競争が激しいため、市場動向や競合情報、新しい技術や工法の導入などもテーマとなります。
2.建設業で会議の無駄を無くすべき理由
①生産性の低下
会議が長引きすぎたり、無駄な議論が続いたりすると、業務プロジェクトの生産性が低下します。会議に参加することで、現場の業務が滞ってしまったり、作業に取り掛かる前に集中力が削がれてしまうこともあります。
②コストの浪費
会議には時間と人が必要であり、会議の無駄は、コストの浪費につながります。仮に時給1,900円のメンバー5人で1時間の会議を行う場合、単純計算で1会議あたり9,500円のコストがかかります。会議を行うための移動費や機材の費用もかかるため、会議の無駄は経費を圧迫する要因になるのです。
③段取りへの影響
会議の無駄が続くと、意思決定が遅れることがあります。建設現場は納期が決まっているため、工程通りに進める必要があります。意思決定が遅れると工程にも遅延が発生してしまい、協力会社にも影響が生じ、最悪の場合工期の延長に繋がる可能性があります。工程に遅れが出た場合、遅れを取り戻そうとして、無理な作業を行ってしまい、事故やトラブルになるケースさえあります。
上記で紹介した例は、会議で起きている無駄の一部です。このような会議を続けてしまうと、残業時間の増加にも繋がります。2024年からは罰則付きで残業時間の上限規制も始まるため、これまで以上に効率的な会議運営が必要となります。
3.会議の無駄 特徴6選
会議の無駄を無くすには、なにが無駄なのかを明確にする必要があります。そこで次に、会議の無駄について詳しく紹介していきます。
①目的が不明確
定例会議などではよくありますが、集まることが目的になってしまい、現状の報告と雑談だけの会議になってしまうケースです。目的がないと発言や議論が散漫になってしまいます。アイデア出しの場であれば問題ないのですが、テーマに絞った議論を行うのであれば、会議の参加者全員で共通の目的意識を持つ必要があります。
②意思決定できない
会議によっては、最終的な意思決定が必要な場もあります。しかし、会議で細かな状況説明から入ってしまい本題までの説明が長くなったり、共通の目的意識がないまま進めてしまうと、別のことで議論が加熱してしまい時間が足りなくなることもあります。結果として、重要な意思決定ができなくなります。
③状況報告に時間を費やしている
月1、全社員で集まり会議を開催する施工会社では、各現場の状況報告の時間が会議の大半を占めてしまい、安全管理や各現場で創意工夫に取り組んでいる内容などの情報を共有する時間がなくなることもあります。
④参加者が多い
会議の議題とは関係が薄いメンバーが会議に参加することもあります。関係がないのに発言力のある社員が参加すると、議題から脱線しやすくなったり、他の社員が萎縮して発言が少なくなることもあります。参加者が多いと、参加者全員の合意を得ることに時間がかかりやすくなります。またそもそも参加する必要のないメンバーが参加することで、業務をとめてしまい、全体の生産性を下げてしまうことにもつながります。
⑤会議の時間が長い
目的があいまいなままの会議では、結論までに至らず長時間の会議になってしまう場合があります。ファシリテーターが話の収拾をつけるために内容を誘導しながら、時間管理を行う必要があります。
⑥資料が多すぎる
会議の際に、議題に関連した資料が参加者に配布されることが多いですが、その資料が膨大な内容だと資料の理解に時間を要してしまいます。特に建設業界では、会議資料を紙で用意することも多く、該当箇所を探す手間も会議の中で発生します。
4.会議の無駄を減らす取り組み例9選
会議の無駄を減らすにはどうすればいいのでしょうか。次に、会議の無駄を減らす取り組みについてご紹介していきます。
①目的とアジェンダの事前共有
参加者全員に、会議の目的を理解してもらう必要があります。そのためには、会議の開催日までにアジェンダの作成と目的の共有を行います。事前に内容が共有されていれば、状況を理解する時間も短縮され、議論をすぐに行えるなど効率的に時間を使えます。
②参加者の見直し
会議の中には、情報共有のために議題とは直接関係のない参加者が混じることもあります。不要な参加者の増加は、長時間会議の原因でもあります。目的とアジェンダに合わせて参加者の見直しをしていきましょう。
③ファシリテーターを決める
ファシリテーターの役割は合意形成に尽力することです。ファシリテーターがいないと話がまとまらずに結論が出ない会議になってしまうことがあります。決められた時間内で結論を出すのであれば、どのような会議でもファシリテーターの役割を決めておく必要があります。
④議事録を共有
会議終了後に、参加者だけでなく関係者全員に決定事項などを記載した議事録の共有をしましょう。認識のズレが生じるのを防ぐとともに、決定事項への実行力にも繋がります。
⑤マイクロミーティングを実施
1回の会議で終わらせようとするのではなく、5分から30分程度の短いミーティングを行い、状況に応じた素早い意思決定を行います。現場では、日々の進捗状況や安全衛生管理、品質管理などで問題が生じた際に、如何に素早く対応できるかが重要となっています。マイクロミーティングを行えば素早い判断が行えます。
⑥開催頻度の見直し
会議の開催頻度は、必要に応じて変えましょう。毎週開催している定例会などは、議題がないため現場の状況報告だけになってしまうこともあります。そのような会議を続けると、参加者のモチベーションが下がる可能性も出てきます。適切な開催頻度は、効率的な会議にも繋がるのです。
⑦長時間会議、間髪入れず連続の会議を避ける
人間の集中力の限界は90分と言われています。長時間会議や連続した会議を開催してしまうと、判断能力の低下や集中力の低下により、会議自体の質が落ちる可能性があります。忙しい現場監督が集まるタイミングなので、会議が集中してしまうこともありますが、計画的に会議を開催しましょう。
⑧Web会議ツールの利用
移動コストの削減のために、Web会議ツールを導入する会社もあります。ネット環境があればどこからでも参加可能なため、離れた現場にいる社員でも直ぐに参加可能です。テレワークの需要拡大の影響を受け、Web会議用の機材がお手頃価格で販売されているため、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
⑨ITツールを活用した日常業務の見える化
施工管理アプリ等を導入して、日々の業務を見える化することで、会議での状況報告の時間を減らすことも可能です。事前に議題を共有していれば、会議前に議論することもできます。内容によっては、会議を行わずに意思決定も行えるため、会議の回数そのものを減らせる可能性もあります。
5.会議の無駄を減らす取り組み事例3選
では、実際に会議の無駄を減らす取り組みを行い、成功した事例はあるのでしょうか。
次に会議の無駄を減らすことに成功した事例をご紹介していきます。
①セラテックジャパン株式会社(製造業)
定例会議の時間短縮:1時間 →30分に短縮会議資料はグループウェアで事前に確認することで、ルーチン化していた挨拶や発表は廃止。その他必要な会議は、必要なときに、必要な時間をかけて開催。
出典元:働き方・休み方改善ポータルサイト
②株式会社日本ピーエス(建設業)
会議費用【人件費】の見える化ムダな会議や会議運営のムダの削減を目指し、会議7カ条(会議の始まりに会議の目的を確認する等)の作成や「会議に参加した人数」、「管理職・一般職の時間単価」に「会議時間数」を乗じて、会議費用(人件費)の見える化を行い、原価意識の向上を図っている。
出典元:働き方・休み方改善ポータルサイト
③株式会社本山建設(建設業)
毎週行っていた工程会議をなくした!進捗状況共有のための工程会議が現場担当者の負担になっていたため、施工管理アプリを導入して、逐次進捗状況や予定を共有。その結果、現場担当者は自分の現場に集中できる環境になり、管理職としても滞りなく現場が動いているのか見えるようになった。
出典元:現場クラウドConne 導入事例
上記で紹介した事例では、会議の無駄を減らすために社内ルールを決めたり、グループウェアや施工管理アプリ等を用いている会社もありました。
また、施工管理アプリ等の導入は、日頃の情報共有が効率化されることで会議の無駄を減らすことにも繋がるだけでなく、施工管理における業務の負担軽減にも繋がるため、近年注目されています。
6.情報共有の効率化で会議の無駄を減らすならConne
時間外労働の上限規制の影響もあり、業務の効率化や会議の無駄を減らすために、施工管理アプリ『現場クラウドConne』を導入いただく施工会社も増えて来ています。
なぜ、数ある施工管理アプリがあるなかで、現場クラウドConneが選ばれているのでしょうか。次に現場クラウドConneが選ばれている3つの理由をご紹介していきます。
①協力会社までの活用を想定したシンプルな画面設計
社内だけでなく、協力会社との円滑なコミュニケーションの実現までを考えて作られたサービスのため、誰にでも使いやすい見た目になっています。また、シンプルさを追及した結果、お客様の要望に応じて必要最低限の機能しかないため、利用開始時に迷うこともないです。
②初めてでも安心のサポート体制
建設業を熟知したサポートメンバーが、運用ルールや運用方法の提案、勉強会の企画などを導入担当者と一緒に検討させていただくため、導入後も安心してご利用いただけます。困ったときは、Web会議ツールを使った面談も実施しています。
③幅広い層に高い満足度
操作面ではシンプルな設計で直感的に使いやすく、サポート面では運用開始まで伴走型のサポート体制であるため、満足度94%以上となっています。
※2022年度お客様満足度調査
7.まとめ
今回は、会議で起きている「無駄」の特徴と、そのような会議を減らすための取り組みをご紹介しました。 建設業界では、人手不足や高齢化などが進み、IT技術も日進月歩で変わるため働き方が日々変わり続けています。
一方で、会議などは旧態依然としたやり方で、”社内のペーパーレス化を議論するのに紙資料を準備して会議を実施している”なんていう話もあります。
今回、紹介した『会議の無駄を減らす取り組み事例』の中にまだ取り組んでいないものがあれば、ぜひ取り組んでみてください。
特に施工管理アプリ『現場クラウドConne』の導入は、会議の無駄が減らせるだけでなく、施工管理における業務効率化にも繋がるためオススメです。