建設業界でもドローンによる空撮や、3次元モデルの活用などIT化が進んでいます。施工管理業務においても同様で、業務効率化を目的とした施工管理アプリの導入を行う企業が増えています。
しかし、数多くある施工管理アプリの中から、自社に合うサービスを選ぶには、どのようにすればいいのでしょうか…?
本記事では、これから施工管理アプリの導入を考ている方向けに、代表的な施工管理アプリの特徴と選び方のポイントをご紹介していきます。
※尚、比較検討に当たっては、2022年5月現在、各社がホームページに掲載している情報を使っております。
目次
1.施工管理アプリとは
2.施工管理アプリのタイプ
3.代表的な施工管理アプリ7選
4.自社にあった施工管理アプリを選ぶ6つのポイント
5.施工管理アプリのメリット
6.施工管理アプリ選びのありがちな失敗例
7.施工管理アプリ選びに迷ったら
8.まとめ
1.施工管理アプリとは
施工管理アプリとは、建築・土木現場において、施工写真や図面の管理、工程表や日報などの施工管理業務をスマホやパソコンで一元管理できるアプリです。以下のような機能があります。
1. 人員配置
現場の状況によって人の配置を考える際、Excelやホワイトボードで行っていた、予定の確認と共有業務を、スマホで簡単かつリアルタイムに行えます。
2. 工程表の共有
工程表をクラウドで共有できます。関係者間で見られるクラウド上で管理でき、工程表を修正する度に関係者へ連絡する手間もなくなるのでスムーズです。
3. 写真・図面のデータ管理
撮影した現場写真や、図面データをクラウド上で管理できます。万一パソコンが動かなくなってもデータは消えません。ペーパーレスにも繋がります。関係者へ共有できるので写真の取り直しが必要かどうかも、早期にチェックできます。
4 .日報
スマホでどこからでも日報が作成でき、アプリによっては現場担当者の作業内容や作業量の把握も可能です。そのため各現場への配置が適切に行えます。
5. 工事関係者間のコミュニケーション
スマホから素早く関係者全員へ状況を報告できるため、報告内容に対する議論をタイムリーに行えます。現場が離れている社員同士も気軽に連絡できるので、コミュニケーションの活性化にも繋がります。
6. 営業管理
各メンバーが持っている顧客情報を、社員同士で共有できます。営業活動の属人化防止に繋がります。優秀な営業マンのノウハウや活動内容も残るため、再現性を高め、新人営業マンの育成にも役立ちます。
7. 原価管理
業務フローに沿って情報を入力していくだけで、原価計算が可能です。転記ミスや関数の間違いなどのミスを防ぎ、属人化防止になります。クラウド環境で使えるアプリもあるので、テレワーク導入企業でも利用可能です。
8. 勤怠管理
労働時間を簡単に記録可能で、記入漏れや集計ミスも防ぎます。労働時間を正確に把握することで法改正にも対応できます。削除しない限りアプリ内で勤怠情報を管理できるため、紛失する心配もありません。
9. 資機材管理
バックホーなどの重機や、測量機器、電機工具の利用予定や使用状況を確認・共有できます。ダブルブッキングも減り、無駄なリース契約も減らせます。
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2.施工管理アプリのタイプ
施工管理アプリは大きく分けると『オールラウンダータイプ』と『機能特化型タイプ』があります。いきなりお金をかけるのはハードルが高いと不安を持たれる方もいると思うので『無料型タイプ』も入れ、3つのタイプに分けました。それぞれメリット・デメリットをご紹介します。
1. 幅広い業種に対応したオールラウンダータイプ
業種、業界に限らず利用可能で、運用次第では様々な業務効率化が行えます。ただし、便利な機能が多い分、運用に迷ってしまうこともあります。また、機能特化型よりも価格帯が高い傾向にあります。
2. 特定の業種・業務を効率化する機能特化型タイプ
特定の業種・業務においては抜群に効果を発揮し、オールラウンダータイプよりもコストを抑えられます。建築戸建て向けのアプリや、写真整理を行うだけのアプリもあるため、導入前に自社の課題を明確にする必要があります。オールラウンダーでないがゆえに「欲しい機能がなかった」などミスマッチングが起きやすいのもこのタイプの特徴です。
3. 気軽に使える無料型タイプ
無料で使えるタイプもあります。費用をかけて導入するより、無料でも良いので試してみたいと考える方には人気です。ただし、有償版のアプリに比べサポート体制がなかったり、機能が少ないアプリもあります。また、利用人数・データ容量によって課金が必要になるアプリもあるので注意しましょう。
3.代表的な施工管理アプリ7選
1. 施工管理アプリの一覧
アプリ名 | 対象企業規模 | 初期費用 | ランニングコスト | 追加費用 | 機能の種類 | サポート体制 |
---|---|---|---|---|---|---|
Conne | 中小 | 0円 | 1万円(20ID) | ※オプションで容量追加が可能100GB/2,000円 | 〇 | ◎ |
ANDPAD | 大手 | 10万円 | 3.6万円~(60ID) | 導入サポート研修 10万円/回 | ◎ | ◎ |
ダンドリワーク | 中小 | 20万円〜 (初回打ち合わせ付き) |
19,800円/月〜 | 登録費用 20,000円〜/回 | ◎ | ◎ |
Site Box | 中小・大手 | 0円 | 12,000円/年 | 不明 | △ | 不明 |
Photostruction | 中小・大手 | 不明 | 780/月~ | ※別途サポート費用あり | △ | 〇 ※費用あり |
クラフタ | 中小 | 0円 | 0円 | 不明 | 〇 | 不明 |
テラ施工管理 | 中小 | 0円 | 0円 | 不明 | 〇 | 〇 |
2. タイプ別のオススメ施工管理アプリ
幅広い業種に対応したオールラウンダータイプ
現場クラウドConne
現場クラウドConneのHP:https://conne.genbasupport.com/
特徴
・これ以上ないシンプルなツールで円滑な情報共有を実現。
・図面や写真など大容量ファイルの共有や、作業員や重機の割り振りが簡単に行える。
・建設業を熟知したサポートメンバーによる安心のサポート体制。
費用
初期費用 | 0円 |
ランニングコスト | 1万円~(20ID) ※無料版あり |
その他オプション | ※容量追加が可能 100GB/2,000円 |
お客様の声
・現場の状況の見える化を実現。日々の協力会社さんとのコミュニケーションが簡略化し、業務効率が向上した。
・マンションを建てる時にはConneは絶対にいいと思います。次の現場でも使っていきたいです。
ANDPAD
ANDPADのHP:https://andpad.jp/
特徴
・現場の効率化から経営改善まで一元管理できるシェアNo.1の施工管理アプリ。
・電話・FAX・メールなど現場のコミュニケーションもチャットアプリで円滑化。
・オプション機能が豊富。
費用
初期費用 | 10万円 |
ランニングコスト | 3.6万円~(60ID) |
その他オプション | 導入サポート研修 10万円/回 |
お客様の声
・賃貸管理の品質が上がり、顧客の不満が満足に変わった。
・日報機能の活用が、職人の積極的な情報発信につながった。
ダンドリワーク
ダンドリワークのHP:https://dandori-work.com/
特徴
・現場を知るスタッフが開発。
・各現場の情報や図面・資料をすっきり一元管理。
・建築業界出身者ならではの充実した運用・サポート体制。
費用
初期費用 | 20万円~(初回打ち合わせ付き) |
ランニングコスト | 19,800円/月~ |
その他オプション | 登録費用20,000円〜/回 |
お客様の声
・ペーパーレス化になったことで一斉通知などができるようになり、残業時間が減りました。
・連絡手段をダンドリワークにまとめることで、業務全体が効率化されました。
特定の業種・業務を効率化する機能特化型タイプ
Site Box
Site BoxのHP:https://www.kentem.jp/product-service/sitebox/
特徴
・土木現場の出来形管理、品質管理、写真管理を格段に効率化。
・電子小黒板対応で、実測値の記録と工事写真の撮影をスマホがあればできる。
・「デジタル工事写真の信憑性確認(改ざん検知機能)」にも対応。
費用
初期費用 | 0円 |
ランニングコスト | 12,000円/年~ |
その他オプション | 不明 |
お客様の声
・1日当たり1~2時間ほど写真整理業務を効率化でき、別の業務ができるようになった。
・公共工事の現場で、工事成績評点(1点)が加点となった。
Photoruction
PhotoructionのHP:https://www.photoruction.com/
特徴
・スマートフォンやタブレットから撮影するだけで自動で整理される。
・写真共有、電子商黒板、台帳作成に対応。
・ゼネコンや専門工事会社、工務店など建物造りに関わるすべての業態で活用可能。
費用
初期費用 | 不明 |
ランニングコスト | 780/月~ |
その他オプション | 不明 |
お客様の声
・写真の紛失などのトラブルもなくなり管理側もとても楽になりました。
・工事写真の撮り方を早く習得ができるようになった
気軽に使える無料型タイプ
クラフタ
クラフタのHP:https://crafta.site/
特徴
・完全無料。
・業界特化型のビジネスチャットで、効率的なコミュニケーションを実現。
・顧客管理、案件情報の共有が行える。
費用
初期費用 | 0円 |
ランニングコスト | 0円 |
その他オプション | 不明 |
お客様の声
・現場の情報や写真の共有がスムーズになり、現場に行く回数が減って助かっています。
・想像以上にカンタンに職人とつながることができ、案件情報の共有がとても楽になりました。
テラ施工管理
テラ施工管理のHP:https://sekoukanri.terra-dx.co.jp/
特徴
・完全無料。
・電話やFAXが不要になるトーク・チャット機能を搭載。
・ストレージ無制限、無料で写真の保管が可能。
費用
初期費用 | 0円 |
ランニングコスト | 0円 |
その他オプション | 不明 |
お客様の声
・他のアプリと比べて、アップデートが早いところがいい。
・現場ごとのフォルダに写真をまとめて保存でき、目的の写真を探す手間も減り、とても助かっています。
4.自社にあった施工管理アプリを選ぶ6つのポイント
上記以外にも数多くの施工管理アプリがあります。その中から自社に適した施工管理アプリを選ぶ際に確認する6つポイントをご紹介します。
1. 自社の業種に適しているか
施工管理アプリには幅広く業種や業務に対応しているものもあれば、業種特化型のアプリもあります。土木工事をメインに行う会社が建築向け施工管理アプリを入れても「やりたいことが微妙に違うし使わない機能が多い」となるため、自社の業種・業務に適したアプリを選びましょう。
2. アプリのカバー範囲
施工管理アプリは搭載している機能名が同じでも、中身が微妙に違うことがあります。例えば、チャット機能でも既読人数しかわからないアプリもあれば、既読した人まで確認できるアプリもあります。
一度社内業務を整理し、具体的にどのようなシーンで使うのか、どんな機能があればよいのかを明確にしましょう。その上で対象アプリの機能で解決できるのかを確認するとミスマッチが少なくなります。
3. 利用人数・料金体系
施工管理アプリの費用を考える際に、初期費用・ランニングコスト(基本料金)・追加オプション費用の3つの費用を考える必要があります。ランニングコストが安くても、一部の機能しか使えなかったり、データ容量が少ないため追加オプションで費用が必要になる場合もあります。
特に無料プランだと、利用人数やデータ容量に制限がある場合が多いので、導入前に必ず確認ください。
4. 操作性の高さ
建設業界は平均年齢が高く、スマホやタブレットが苦手な方も少なくありません。なるべく直感的に使いやすいサービスを選ぶ必要があります。
機能が多すぎると選択肢が多くて迷ってしまったり、オシャレな画面デザインでも文字が小さ過ぎて読めなかったりすることもあります。無料プランがあるアプリもあるので、関係者で一度試してからの導入をオススメします。
5. サポート体制
施工管理アプリの導入ではサポート体制も重要です。アプリを導入してから本運用までに、運用方法の検討や社内勉強会の実施などを行う必要があり、自社だけで対応するにはかなりの負担が担当者へかかります。
アプリによっては、導入支援やサポート体制が充実したタイプもあります。「折角導入したのに社内で使われなかった」とならないように、サポート体制の有無とサポート内容は必ず確認ください。
6. 導入事例や口コミ
導入事例や口コミの評価も参考になります。アプリによって特徴が違うので、自社に似た会社の事例があれば確認することをオススメします。施工管理アプリのHPに導入事例が掲載されていたり、『○○アプリ 評判』と検索すると口コミサイトが出てくるので、参考にしてみてください。
>>無料で使える施工管理アプリ『現場クラウドConne』はこちらから!
5.施工管理アプリのメリット
ここでは、施工管理アプリを導入するメリットについてご紹介します。
1. 工事品質の向上
書類の作成や工事関係者への情報共有がスムーズに行えるようになり、現場管理に時間をかけられるようになります。現場業務に集中できるのでミスも軽減し、安全管理や品質向上に十分な時間を費やすことが可能です。
2. 業務の効率化
施工管理アプリを導入することで、図面や写真を印刷することがなくなります。出先でも最新の情報が確認できたり、どこにいてもリアルタイムでのコミュニケーションが行えるなど、スムーズな情報共有と業務の効率化が実現できます。
3. 労働時間の短縮
施工管理業務は、現場作業や管理だけではありません。現場から事務所に戻り、写真の整理や工事報告書の作成を行うなど、業務の内容は多岐に渡ります。施工管理アプリを導入することで、業務フロー全体がスムーズにいくようになり、大幅な時間の短縮につながります。長時間労働への是正にも対応できます。
4. 協力会社との連携強化
協力会社とは業務上の確認電話が多いものです。工程や図面の変更がある場合は都度連絡しなければなりません。施工管理アプリであれば、関係者全員に一斉連絡が行え、現場の進捗もリアルタイムに共有されるため、協力会社との連携もスムーズになります。
6.施工管理アプリ選びのありがちな失敗例
ここでは、施工管理アプリの導入でありがちな失敗例をご紹介します。
1. 多機能すぎて使いこなせない
「どうせ導入するなら多機能なサービスを!」と選んでしまいがちですが、機能が多すぎると覚えることも増えてしまいます。結果的に、高い費用をかけたのに一部の機能しか使われていないという状況になりがちです。
2. 操作が複雑すぎて不慣れな人がついてこれない
何度も説明を受けなければ理解できないほど難しい操作感だと、ITツールに苦手意識を持つ人だとついてこれない可能性があります。施工管理業務で忙しい場合、操作を覚えることの優先度も下がります。結果的に、メリットを感じる前に使われなくなってしまいます。
3. 無料版だと手厚いサポートが受けられない
無料版の多くはFAQ・サポートサイトを通じた『自己解決型』のサポート体制が多いです。自社だけで運用ルールや社内浸透を進めていこうとすると、導入担当者に負担がかかってしまい、社内で使わない人が出てきても対応できず、その結果使われなくなってしまうこともあります。
7.施工管理アプリ選びに迷ったら
どのような業務でもコミュニケーションは欠かせません。スムーズな情報共有が行えれば、その分、様々な業務の効率化が期待できます。働き方改革の取り組みの第一歩として、コミュニケーションツールである現場クラウドConneを検討してみてはいかがでしょうか。
1. 現場クラウドConneをオススメする3つの理由
(1)建設現場で必要な情報共有機能だけを集めたサービス
お客様の声から、必要な機能だけ集めています。シンプルな機能で迷わずに活用できます。
(2)細部までこだわりぬいた直感的に使える操作感
現場で忙しい方でもすぐに使えるように直感的に使いやすいシンプル・簡単な画面にしています。
(3)建設業を熟知したサポートメンバーによるサポート体制
運用ルールのご提案から社内勉強会の段取りまで、お客様が本運用に乗るまで全力でサポートさせていただきます。
また、実際に触ってみないとわからないという方向けに、無料で5名まで使えるプランもあります。お申込みから直ぐに使えるようになるので、無料版を体験することも可能です。
2. 現場クラウドConneの導入事例
現場クラウドConneは、社内の情報共有だけでなく現場など様々な場面で喜ばれております。
吉原建設株式会社 様
『ポイントはいつでもだれでも見れる状況を作ること。 協力会社にも喜んでもらえる情報共有の仕組み作り。』
■お客様の声(一部抜粋)
「毎日の現場の状況を写真を撮って共有していました。現場に来なくても現場の状況がわかるので特に協力会社さんからは喜んでもらえていましたね。」
「ロングスパンエレベーターの利用予定表を共有することにより、空いている時間を確認して予定を連絡してくれるようになりました。」
福山総合建設株式会社 様
『ISO審査員からも高評価!パソコンが苦手な人を考慮した運用の工夫で業務効率化を実現。』
■お客様の声(一部抜粋)
「今まで当たり前につかっていたメールですが、Conneに慣れてしまうと本当に面倒に感じます。」
「ISOの要求事項に「組織の知識」という項目があり、組織の中で保有する知識を共有してみんなが使えるようにしなさいということなのですが、審査員の方に現場クラウドConneを紹介すると「時代に合っていますね!」と非常に高い評価を頂きました。」
8.まとめ
今回は代表的な施工管理アプリ7選についてご紹介しました。
備わっている機能や価格帯、サポート体制など確認すべき点は多く、十分な費用対効果を得られるには様々な視点での検討が必要になります。
施工管理アプリの導入には時間や手間もかかるため、「折角導入したのに誰も使ってくれなかった」「一部の人しか使っておらず社内浸透が進まない」とならないためにも、特にサポート体制については確認することをオススメします。
弊社が提供する『現場クラウドConne』のサポート体制は、社員全員が使える状態を目指すオンボーディング体制です。導入時に建設業界を熟知したサポートメンバーと打合せをさせていただき、運用方法の提案や勉強会の企画など、お客様に合わせて本運用までのスケジュールを一緒に検討させていただきます。
施工管理アプリをお探しの方は、現場クラウドConneを検討してみてはいかがでしょうか。