時代の変化とともに、稟議書の取り扱い方法も変化していきます。従来の紙ベースの決裁業務から電子化への移行は、組織にとって数多くのメリットをもたらします。
本記事では、電子化できる稟議書の例を紹介し、実際にシステム化する方法に焦点を当て、無料ツールの注意点についても紹介していきますので、ぜひシステム選びの参考にしてください。

1.電子化できる稟議書の例について

稟議書は、組織や企業内で特定の業務やプロジェクトに関する重要な意思決定を行う際に使用される書類の一つです。主に上層部に対して、提案や決定を行うための許可や承認を得るために使われます。「立案書」と呼ばれることもあります。
近年、稟議書の電子化を行う会社が増えてきており、具体的には次のような書類が電子化されています。

購入関連 備品や機材の購入
経理関連 経費精算など
人事関連 給与改定、昇進・異動など
総務関連 設備管理、セキュリティ対策など
営業関連 契約関連、予算承認など

2.稟議書の電子化を後押しする法律と環境変化

今後、建設業界でも稟議書の電子化への取り組みは活発になってくるでしょう。その背景には法律と環境変化が影響しています。

(1)2022年に改正電子帳簿保存法が施行

2022年1月1日に施行された改正電子帳簿保存法(通称:電帳法)が電子化へ取り組むキッカケとなっています。電帳法では、電子データで受け取った請求書について紙ではなくデータで保存することが義務付けられました。データを保存する場合は決められた保存要件を満たさないといけません。
これまでは現場の対応状況を勘案し、2023年12月31日までは要件にしたがって保存ができない場合、紙に印刷して保存してもよいとされていました。しかし、2024年1月1日からはデータでの保存が完全義務化されます

(2)リモートワークの増加

コロナウィルスの影響もあり、ここ数年で全国的にリモートワークが急増しました。それに伴い、リモートワークが行える環境を整えるためにチャットツールやリモート会議システムなど様々なシステムも登場しました。同時にペーパーレス化や脱ハンコにむけた話も各省庁で盛んに検討が進んでいき、河野行革担当相が『脱ハンコ』を宣言した際はニュースになるほど話題になりました。
脱ハンコを進めるシステムとして適しているのが、ワークフローシステムです。ワークフローシステムは、クラウド上で稟議書の発議から決裁までの一連の流れを行えるシステムで、リモートワーク化でも社内稟議が行えると導入する企業が増えています。

3.稟議書を電子化するメリット

次に、稟議書を電子化するメリットを紹介していきます。

(1)意思決定スピードの向上

担当者は出先からでも承認・確認ができるため、不在で稟議が止まってしまった、ということはなくなります。また、どこで稟議が止まっているのかも確認できるため、社員同士で声かけもできるようになります。

(2)コスト削減

ペーパーレスに繋がるため印刷コストも削減できます。わざわざ稟議書を提出しに本社へ戻る必要がなくなり、移動時間の削減や高騰するガソリン代の節約にもなります。

(3)改ざんや漏えいなどの不正防止

クラウド上に操作ログが残るので不正防止にもなり、アクセス権も設定できるため情報漏えい対策の強化にもなります。

(4)リモートワークへの対応

脱ハンコを行うことで、決裁者は自宅と本社の往復が不要になります。現場の方は、ハンコ目的の現場と本社の往復が不要になります。

(5)書類の創作、メンテなどの負担軽減

これまで机の上にかさばっていた大量の紙の整理が不要になります。決裁後の資料を探す際も、1つ1つファイルを取り出し、探し出す手間がなくなります。

(6)BCP対策

自然災害や事件・事故・不祥事といった人的災害が発生した際に、被害を最小限に抑え、営業復旧までの対応スピードに繋がります。

4.稟議書を電子化する方法

ここまで稟議書を電子化する背景やメリットを紹介してきましたが、実際に電子化をする際はどんな方法があるでしょうか。

次に稟議書を電子化する4つの方法を紹介していきます。

(1)専用の稟議システムを利用する

稟議の申請から決裁までクラウド上で行える、ワークフローシステムがあります。自社に合わせてカスタマイズ可能なものもあり、独自の帳票を使った運用でも対応可能です。
ワークフローシステムの中には電子帳簿保存法やインボイス制度に対応しているシステムも存在します。

(2)グループウェアなどの情報共有ツールの稟議システムを利用する

グループウェアやSNSにワークフロー機能が付いているシステムもあります。稟議書の電子化を行えるだけでなく、社内のコミュニケーションや情報共有の活性化が期待できます。

(3)社内のシステムを利用する

既に社内でシステムを導入している場合は、システムによってはオプションでワークフロー機能を付けることが可能なシステムもあります。新しくシステムを導入するよりは、導入コストが低いことが多いので確認してみましょう。

(4)自社に合った稟議システムを開発する

自社に合わせて作れる分、開発に膨大な時間と労力が必要です。一旦、既存のワークフローシステムを確認した上で、どうしても自社に合わないときはこちらを選択することをオススメします。

5.稟議書の電子化をする際の注意点

ここまでで稟議書の電子化のメリットや方法について分かりましたが、電子化をする際には注意しないといけないポイントがあります。
次は、電子化の効果を最大化するためにも注意点について紹介していきます。

(1)すべて電子化しようとしない

全て電子化しようとしても、現実的に厳しい書類があります。電子化することで逆に手間が増えることもあります。
電子化をする際は、どこまで電子化するのかについて社内で予め話合っておくことをオススメします。

(2)稟議書を電子文書にするだけでは不十分

稟議書を紙からExcelに変えれば電子化にはなりますが、メールにExcelを添付して稟議書を回覧するだけでは、申請者や管理者の課題に対して根本的な解決にはなりません。重要な書類を誤送信してしまうこともあり、情報漏えいのリスクを増やしてしまう可能性もあります。

(3)自社の申請・承認方法に対応したシステム選び

稟議書の種類ごとに運用が違う場合があるので、システム選定前は必ず稟議書毎の運用方法の確認をオススメします。

(4)運用に負担のかからないシステムを選ぶ

システムによっては細かく設定できるシステムもありますが、使いこなせないことが多いです。機能やボタンが沢山付いていると運用時のハードルが高くなるため、シンプルなシステム選びが導入後から運用開始までのスピードに繋がります。

(5)無料で使えるシステムには注意

ワークフローシステムの中には無料で使えるシステムもあります。しかし、システムの脆弱性から情報漏えいが発生してしまう可能性もあり、ワークフローシステムに関してはお金をかけてもセキュリティ性の高いシステムを選ぶことをオススメします。

6.建設業で使われている電子稟議システム

建設業でも電子稟議システム(ワークフロー)を導入している企業も増えてきています。そこで、次に実際に建設業で使われているシステムについて紹介していきます。

現場クラウドConne

出典:現場クラウドConneのHP

【特徴】

・建設業のためのコミュニケーションツール+ワークフロー機能で業務効率化を実現
・難しい設定は不要で、導入後に直ぐ使える
・建設業を熟知したサポートメンバーによる安心のサポート体制

【費用】

初期費用 0円
ランニングコスト 1万円~(20ID)
備考 ワークフロー機能はオプション機能

LINEWORKS

出典:LINEWORKSのHP

【特徴】

・LINEとの親和性が高い
・ビジネスに必要な機能を網羅
・セキュリティ対策が万全

【費用】

初期費用 要確認
ランニングコスト 450円(1ID)
備考 ワークフロー機能はオプション機能

サイボウズ Office

出典:サイボウズ OfficeのHP

【特徴】

・使い勝手を追求した豊富な基本機能
・パソコン、スマートフォンなど様々なデバイスに対応
・累計導入70,000社の実績

【費用】

初期費用 0円
ランニングコスト 800円~(1ID)
備考 プレミアムコースの登録が必要

desknet’s NEO

出典:desknet’s NEOのHP

【特徴】

・クラウド版とパッケージ版、2種類から選べる
・アプリ作成ツールと組み合わせて様々な業務をシステム化
・多くの官公庁・自治体での採用実績

【費用】

初期費用 0円
ランニングコスト 400円~(1ID)
備考 ワークフロー機能の費用については要確認

NIコラボ 360

出典:NIコラボ 360のHP

【特徴】

・コストパフォーマンスの高さに定評がある
・iOS・Android版のスマートウォッチに対応している
・全画面にレスポンシブデザインが採用

【費用】

初期費用 50,000円
ランニングコスト 360円~(ID)
備考 特になし

サイボウズ Garoon

出典:GaroonのHP

【特徴】

・国産の製品で10人〜数万⼈規模の組織でも安心
・kintoneやMicrosoft 365など他システムと連携可能
・7,000社 320万人の導入実績

【費用】

初期費用 0円
ランニングコスト 845円~(1ID)
備考 特になし

ジョブカンワークフロー

出典:ジョブカンワークフローのHP

【特徴】

・スマートフォンでも申請・承認が可能
・初期設定代行サポートが充実
・シリーズ累計20万社以上の導入実績

【費用】

初期費用 0円
ランニングコスト 300円~(1ID)
備考 無料プランあり

Collaboflow

出典:CollaboflowのHP

【特徴】

・Excelファイルをそのまま申請フォームに変更できる
・外部システムとの連携も可能
・導入者数1500社以上の実績

【費用】

初期費用 0円
ランニングコスト 500円~(1ID)
備考 30日間の無料お試し期間あり

バクラク

出典:バクラクのHP

【特徴】

・AIで手作業を自動化
・Slackやアプリから承認可能
・シリーズ累計 導入社数 7000 社

【費用】

初期費用 0円
ランニングコスト 20,000円~
備考 専任担当によるサポートは有料

建設PAD

出典:建設PADのHP

【特徴】

・建設業における法的安全性を実現
・請負契約書や注文書・請書をクラウドで簡単作成
・様々な建設書類を用意

【費用】

初期費用 不明
ランニングコスト 不明
備考 インボイス制度等対応

7.建設業で稟議書の電子化を進めるなら現場クラウドConne

これから稟議書の電子化に取り組むなら、社内外での情報共有が行える現場クラウドConneがオススメです。

①余計な設定は不要。導入当日から稟議書を回覧できる

システムの導入後に複雑な設定が必要であれば、社員にとって手間になってしまい社内浸透が進まないことがあります。現場クラウドConneであれば、複雑な初期設定は不要で、導入直後から利用できるので導入当日でも稟議書の回覧が行えます。

②紙運用と同じ感覚で稟議書の電子化が行える

システムを導入する際に、システムに合わせた運用に変える会社もありますが、運用が変わると社内で混乱を招く可能性があります。現場クラウドConneなら、紙と同じ感覚で稟議書の回覧・承認作業ができるので、混乱を防ぎ、社内浸透もスムーズに行えます。

③PDF注釈機能を搭載

紙で稟議書類を回覧していたときに、気になる点は付箋や注釈を付けていましたが、現場クラウドConne上でも同じように付箋や注釈を付けることができます。

④社内外の情報共有で業務の効率化も実現

現場クラウドConneには稟議書の電子化だけでなく、関係者を集めたグループチャットやクラウド上のドライブ機能、関係者全員で共有できるスケジュール機能など社内外の情報共有が行えます。

8.まとめ

今回は建設業界で稟議書の電子化が進む背景や、実際に導入されているシステムの具体例をご紹介しました。

これまで紙で稟議書のやりとりをしていた企業が急に電子化をしようとしても多くの戸惑いがあると思います。特にパソコンが苦手な社員がいると、システムの導入に対して不安も出てきます。

そこで、システム検討時は必ず『サポート体制』について確認することをオススメします。導入後に勉強会だけでなく運用方法まで考えてくれるサポート体制があると安心です。

弊社が提供する『現場クラウドConne』のサポート体制は、社員全員が使える状態を目指すオンボーディング体制です。お客様に合わせて本運用までのスケジュールを一緒に検討させていただきます。
稟議書の電子化を行いたい方は、現場クラウドConneを検討してみてはいかがでしょうか。


>>現場クラウドConneの資料ダウンロードページはこちら

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