【2024年最新版】鹿児島県の建設業で活用できる「女性活躍・採用・育成」や「DX」に関する補助金・助成金13選
いま、建設業は「人手不足」「生産性向上・業務効率化」など、さまざまな課題を抱えています。課題解決に向けて建設関連企業に求められているのが、女性活躍の推進や、DXへの取り組みです。しかし、新規で人材を採用したり、ICT関連の投資を行ったりする上で、資金面でハードルを感じる企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、国や自治体主催の女性活躍・採用・育成、DX推進のためのさまざまな補助金・助成金制度を紹介します。
なお、今回は、鹿児島県の建設業で利用できる制度にフォーカスしています。鹿児島県で補助金や助成金制度に関する情報を探している建設関連企業の責任者・経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.【国】鹿児島県の建設関連会社が活用できる「女性活躍・採用・育成」や「DX」に関する助成金
2.【地方自治体】鹿児島県の建設関連会社が活用できる「女性活躍・採用・育成」や「DX」に関する補助金・助成金
3.鹿児島県の「女性活躍・採用・育成」や「DX」に関するそのほかの取り組み
4.まとめ
1.【国】鹿児島県の建設関連会社が活用できる「女性活躍・採用・育成」や「DX」に関する助成金
鹿児島県の建設関連会社が活用できる「女性活躍・採用・育成」や、「DX」に関する補助金・助成金制度を紹介します。
まずは、国が主催する6つの制度を見ていきましょう。
①トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース)
「トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース)」とは、35歳未満の若年者または女性を建設技能労働者として受け入れ、一定期間、試行雇用(トライアル雇用)を行った場合に、助成金が支給される制度です。
実施機関 | 厚生労働省 | |
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公募期間 | 2024年4月1日〜2025年3月31日 | |
助成額 | 若年・女性建設労働者1人につき最大4万円/(月)×3か月 | |
助成率 | 最大75%≦A※1 | |
公式URL |
トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース) 建設事業主等に対する助成金のご案内 |
※1 A=(支給対象者が1か月間に実際に就労した日数)÷(支給対象者が当該1か月間に就労を予定していた日数)
②人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース)
「人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース)」は、建設分野において、若年者や女性にとって「就業したい」「働き続けたい」と思えるような取り組みを実施した建設事業者に対して、助成金が支給される制度です。
現場見学会や技術などの体験会、インターンシップなど、これから建設業に入職する、あるいは新規で入職した人に向けた、教育・訓練などの取り組みが想定されます。
実施機関 | 厚生労働省 | |
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公募期間 | 2024年4月1日〜2025年3月31日 | |
助成額 | 上限200万円 | |
助成率 | 最大5分の3(※企業規模により異なる) | |
公式URL |
人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)) 建設事業主等に対する助成金のご案内 |
③人材確保等支援助成金(作業員宿舎等設置助成コース)
「人材確保等支援助成金(作業員宿舎等設置助成コース)」は、建設現場に女性トイレ、更衣室、シャワー室、浴室などを賃借によって設置した場合に、事業者に対して助成金が支給される制度です。令和6年度より、助成の上限額が引き上げられました。
たとえば、自社が施工管理している現場建設において、関連会社に対して施設を賃借によって提供する場合などが当てはまります。
実施機関 | 厚生労働省 | |
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公募期間 | 2024年4月1日〜2025年3月31日 | |
助成額 | 1事業年度あたりの上限90万円 | |
助成率 | 5分の3 | |
公式URL |
人材確保等支援助成金(作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)) 建設事業主等に対する助成金のご案内 |
④人材確保等支援助成金(テレワークコース)
「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」は、テレワークを推進できる環境を整えて、人材確保や雇用管理改善の観点で成果を上げた事業者に対して、助成金が支給される制度です。
外部専門家によるコンサルティングの実施、通信機器の導入、社内で就業規則の変更、社内研修などにかかった費用が助成対象となります。「これから新規でテレワーク体制を構築しようとしている企業」だけではなく、「テレワークをすでに導入していて、さらに実施を拡大しようとしている企業」も対象になります。
実施機関 | 厚生労働省 | |
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公募期間 | 2024年4月1日〜2025年3月31日 | |
助成額 | テレワーク実施対象労働者の数×20万円または100万円を超えるときは、いずれか低い方の額 | |
助成率 | 最大50% | |
公式URL | 人材確保等支援助成金(テレワークコース)|厚生労働省 |
⑤人材開発支援助成金(人材育成支援コース)
「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)」は、従業員の人材育成、スキルアップに活用できる助成金制度です。
たとえば、いま建設業界では女性や若年者が活躍しやすい新たな職域「建設ディレクター」が注目されています。建設ディレクターは、ITとコミュニケーション能力を活かして建設現場を後方支援し、技術者の事務作業負担などを低減させる役割を担います。建設ディレクターを育成することで、会社全体の業務効率化・生産性向上を期待できます。
「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)」は、建設ディレクターに関する知識・技能を従業員に習得させるための訓練・研修実施経費も助成対象となります。
実施機関 | 厚生労働省 | |
---|---|---|
公募期間 | 2024年4月1日〜2025年3月31日 | |
助成額 | 最大25万円 | |
助成率 | 最大60% | |
公式URL |
人材開発支援助成金(人材育成支援コース) 人材開発支援助成金 |
関連リンク
建設ディレクターとは?建設業に必要な理由やメリット、事例を紹介
⑥人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)
「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」もまた、事業のなかで新たな分野を創設し、そのために必要な技能・知識を従業員に取得させる目的で活用できる助成金制度です。
この補助金制度も「建設ディレクター」育成のための教育・訓練経費に活用可能です。
実施機関 | 厚生労働省 | |
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公募期間 | 2024年4月1日〜2025年3月31日 | |
助成額 | 賃金助成:1人1時間あたり960円 | |
助成率 | 最大75% | |
公式URL |
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース) 人材開発支援助成金 のご案内(詳細版) |
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2.【地方自治体】鹿児島県の建設関連会社が活用できる「女性活躍・採用・育成」や「DX」に関する補助金・助成金
続いて、地方自治体が主催する7つの制度をご紹介します。
①鹿児島県|かごしま中小企業DX推進事業費補助金
「かごしま中小企業DX推進事業費補助金」は、鹿児島県内の中小企業が利用できる補助金制度です。事業の成長を目的としてデジタル技術を導入したり、社内でデジタル人材を育成したりして生産性向上・省力化を図る際に、支援を受けることができます。
具体的には、ソフトウェアや機械設備の購入費、クラウドサービスの利用料金、研修費などの経費が補助対象となります。
実施機関 | 鹿児島県 | |
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公募期間 | 2024年7月1日~2024年10月31日 ※予算上限に達したため、すでに募集を終了(10/8確認) |
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補助額 | 上限200万円 | |
補助率 | 3分の2以内 | |
公式URL |
補助金について | 鹿児島県中小企業DX支援プラットフォーム事業サイト 鹿児島県/かごしま中小企業DX推進事業費補助金について |
②鹿児島県奄美市|奄美市求人活動モデル創出事業補助金
「奄美市求人活動モデル創出事業補助金」は、鹿児島県奄美市内に事業所を置く企業が活用できる補助金です。
この補助金の目的は、人手不足に悩んでいる企業の求人活動を支援することです。求人計画を策定し、それにもとづいた企業説明会の実施や、広告宣伝費、旅費・交通費など、求人活動にかかる経費の補助を受けられます。
実施機関 | 鹿児島県奄美市 | |
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公募期間 | 予算が上限に達し次第終了 ※活動期間は、交付決定日から令和6年2月末までの間 |
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補助額 | 上限10万円 | |
補助率 | 50% | |
公式URL | 奄美市求人活動モデル創出事業補助金 |
③鹿児島県奄美市|奄美市キャリアアップ助成事業(従業員の免許・資格取得に対する助成)
「奄美市キャリアアップ助成事業(従業員の免許・資格取得に対する助成)」は、鹿児島県奄美市内の事業所が活用できる補助金制度です。
人材育成を目的として、従業員の免許・資格取得にかかる経費(免許・資格取得の際にかかる旅費・宿泊費)の補助を受けられます。対象となる資格は、その事業所の業務上必須な国家資格全般です。たとえば過去実績には、「土木施工管理技士(補)」や「建築施工管理技士」も含まれています。
実施機関 | 鹿児島県奄美市 | |
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公募期間 | 後期申請:2025年3月3日〜3月14日 | |
補助額 | 上限10万円 | |
補助率 | 3分の2 | |
公式URL | 奄美市キャリアアップ助成事業(従業員の免許・資格取得に対する助成) |
④鹿児島県曽於郡大崎町|大崎町人材育成補助金(産業育成)
「大崎町人材育成補助金(産業育成)」は、鹿児島県曽於郡大崎町内に拠点のある事業者が、人材育成のために活用できる補助金制度です。
町があらかじめ指定している資格取得にかかる試験費用や、技能講習の受講料について、助成を受けられます。一例として、「建築施工管理技士」など建設関連の資格も含まれます。
実施機関 | 鹿児島県曽於郡大崎町 | |
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公募期間 | 町予算の範囲内 ※同一年度において予算上限に達した場合には、締め切られると考えられる |
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補助額 | 同一年度において上限10万円 ※年度中に2回まで申請可能 |
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補助率 | 2分の1以内 | |
公式URL | 大崎町人材育成補助金(産業育成)について|鹿児島県大崎町 |
⑤鹿児島県いちき串木野市|イクボス企業応援助成金
「イクボス企業応援助成金」は、鹿児島県いちき串木野市内に事業所のある企業が活用可能な補助金制度です。
この補助金は、女性活躍と男性の育児参加を促進し、働き手にとって「長く続けて働きたい」と思える労働環境づくりを後押しするのが目的です。従業員に育児休業などを取得させた期間に応じて、企業に対して助成金が交付されます。
実施機関 | 鹿児島県いちき串木野市 | |
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公募期間 | 2023年7月27日〜 ※終了期日不明 |
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助成額 | 最大25万円 (育児休暇を取った従業員1名あたり) |
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助成率 | ー | |
公式URL | いちき串木野市/イクボス企業応援助成金 |
⑥鹿児島県いちき串木野市|いちき串木野市副業人材活用支援補助金
「いちき串木野市副業人材活用支援補助金」は、鹿児島県いちき串木野市に主たる事業所を置く企業が活用できる補助金制度です。
副業人材を活用して事業の成長を図ろうとする事業者に対して、支援を行います。具体的には、副業人材を探す際の経費(副業マッチング支援企業などへの委託料や手数料)の補助を受けられます。
実施機関 | 鹿児島県いちき串木野市 | |
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公募期間 | 2024年2月2日〜 ※終了期日不明 |
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補助額 | 上限10万円 | |
補助率 | 2分の1以内 | |
公式URL | いちき串木野市副業人材活用支援補助金について |
⑦鹿児島県阿久根市|企業説明会参加費等補助金
「企業説明会参加費等補助金」は、鹿児島県阿久根市に本社、あるいは主たる事業所を置く企業が活用できる補助金制度で、人材確保に関する活動を支援するものです。
企業説明会(Webを含む)の出展や、研修会に参加する際の参加負担金や交通・宿泊費などの支援を受けられます。
実施機関 | 鹿児島県阿久根市 | |
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公募期間 | 予算上限に達した場合には、締め切り | |
補助額 | 上限10万円 | |
補助率 | 2分の1以内 | |
公式URL |
企業説明会参加費等補助金/阿久根市 阿久根市企業説明会参加費等補助金 |
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3.鹿児島県の「女性活躍・採用・育成」や「DX」に関するそのほかの取り組み
鹿児島県が推進する「女性活躍・採用・育成」や、「DX」に関する取り組みは、補助金制度以外にもあります。ここでは、4つの取り組みを見ていきましょう。
①かごしま「働き方改革」推進企業認定制度
鹿児島県では、「働き方改革」を推進している企業の認定を行っています。長時間労働の是正や、労働者の処遇改善、テレワーク導入などを進めている企業に対して、県が「認定番号」と「認定証」を交付する制度です。
認定企業は、県のホームページで働き方改革について紹介されたり、県主催の合同企業説明会へ優先参加できたりする点がメリットです。「県に認定済みの企業である」ということを、日頃からアピールできるようになるため、今後の人材確保に有利になると期待できます。
②イクボス
鹿児島県ホームページの「働き方改革」の項目では、「イクボス」という取り組みも紹介されています。
「イクボス」とは、ワーク・ライフ・バランスを積極的に考える管理職のこと。組織内の誰もが仕事とプライベートの両立ができるよう、ワーク・ライフ・バランスを考えた取り組みを積極的に牽引するリーダーです。
鹿児島県知事をはじめ、県内市町村の首長や県内事業者も「イクボス宣言」も行っています。企業が「イクボス宣言」を行うと、県のホームページで紹介されるため、求職者から「プライベートと両立しやすい企業」と認知してもらえる機会が増えるでしょう。
③かごしま子育て応援企業登録制度(ワーク・ライフ・バランス)
「かごしま子育て応援企業登録制度(ワーク・ライフ・バランス)」は、仕事と育児の両立を積極的に後押ししている企業を登録する制度です。
鹿児島県では、企業がワーク・ライフ・バランスを重視した取り組みは、「工夫次第で、あまりコストをかけずにできて、会社の強みを増やせる経営戦略」である、と位置づけています。
たとえば、業務にムリやムダがなく、「いつも残業せず、休暇もしっかり取れる」といった労働環境を構築できれば、従業員は「プライベートと両立しやすく、長く快適に働きやすい」と感じられるでしょう。
鹿児島県は、そのような職場づくりを推進するために、県内の企業に登録を呼びかけています。登録されると、ハローワークや若者就職サポートセンターなどの就職窓口で紹介される点がメリットです。これから就業する人に向けて「長く安定して働きやすい職場」といった印象付けができ、企業イメージが向上して優秀な人材を確保しやすくなるでしょう。
参考:鹿児島県|かごしま子育て応援企業登録制度(ワーク・ライフ・バランス)とは
④鹿児島県IoT推進ラボ
鹿児島県IoT推進ラボは、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が支援する、「地方版IoT推進ラボ」の第一弾です。
IoT推進ラボでは、「IoT(モノのインターネット)」などの先端技術を活用して業務の省力化・高度化を図り、企業として競争力アップを目指す取り組みや、地域課題を解決し新たなサービスを展開する取り組みが選定されます。鹿児島県内において、IoTの導⼊・活⽤に関心のある事業者・団体が対象です。
選定されると、メンターの派遣や個別相談の機会、協業できそうな相手とのマッチングなどの支援を受けられます。「鹿児島県IoT推進ラボ」への登録は無料であるため、鹿児島県内でIoTに関連する取り組みを積極的に推進したい企業は、まずは参加してみるとよいでしょう。
参考:
地域DX推進ラボ|地方版IoT推進ラボについて
鹿児島県IoT推進ラボ 会員募集
4.まとめ
本記事では、鹿児島県内の建設関連企業が「女性活躍推進」「DX推進」の目的で活用可能な助成金・補助金制度を紹介しました。
補助金・助成金制度などに目を向けてみることで、国や地方自治体が推奨している取り組みを具体的に知ることができます。
新たな取り組み推進に関して資金面でハードルを感じている場合でも「補助や助成を受けられるならば、実現可能かもしれない」と、自社の将来像を具体的に描く一助となるでしょう。
なお、補助金・助成金制度の情報は、同一年度内でも頻繁に更新されるため、気になる制度を見つけたら、Webサイトなどでこまめに公募期間の動向をチェックするのがおすすめです。