ファイル共有サービスとは、データをクラウド上にアップロードして、アクセス権限のある関係者と共有し、閲覧や編集ができるツールのことです。

建設現場で従来使われていたNAS(ネットワークアタッチストレージ)からファイル共有サービスへ移行することで、図面や写真のスムーズなやり取りが実現します。

この記事では、ファイル共有サービスの基礎知識から、建設現場におすすめのファイル共有サービスや選び方を解説します。

建設現場でファイル共有サービスの導入をご検討の際は、ぜひご覧ください。

1.ファイル共有サービスとは

ファイル共有サービスとは、1人のユーザーだけでなく社内外の関係者と共有して、複数の端末からデータの閲覧や編集をするためのツールのこと。

クラウド上にファイルをアップロードすることで、外出先からでもアクセスが容易になります。

従来、ファイルを共有するにはメールに添付する方法が主流でした。しかし、業務のデジタル化が進むにつれて大容量ファイルの取り扱いが増え、メールでは添付サイズの上限を超えてしまい送付が困難になりました。

そこでメールの代わりにファイル共有サービスを活用することで、大容量ファイルでもスムーズな受け渡しが実現します。

①2つの種類

ファイル共有サービスは大別すると、「ファイル転送型」と「クラウドストレージ型」の2種類があります。それぞれの概要は次のとおりです。

ファイル転送型 ファイルをサーバーにアップロードし、受信者は発行されたURLからアクセスしてダウンロードする仕組み。一定期間後、ファイルは自動削除される
クラウドストレージ型 クラウド上にファイルをアップロードし、アクセス権限を持つ社内外関係者と共有できる仕組み。ダウンロードだけでなく、クラウド上で閲覧や編集もできる

本記事では、クラウドストレージ型のファイル共有サービスを紹介します。

ファイル転送型に関しては、下記の記事で詳しく説明しているので、合わせてぜひご覧ください

関連リンク:建設業で容量の大きいファイルを送る方法!おすすめのサービス6選 >>

②主な機能

クラウド型ファイル共有サービスの基本機能として、共有機能、バックアップ機能、検索機能、アカウント管理機能、チャット機能などがあります。それぞれの機能の概要は、次のとおりです。

クラウド型ファイル共有サービスの基本機能
共有機能 ファイルをクラウドサービスにアップロードすることで、権限のあるユーザーとファイルを共有できる機能
バックアップ機能 アップロードしたファイルを保管し、復元用ファイルを自動で複製し保管する機能
検索機能 ファイル名や本文内のキーワードなどを使って目的のデータを検索する機能
アカウント管理機能 部署やプロジェクトごとでアカウントを一元管理する機能。閲覧許可だけでなくアクセス制限も設定できる
チャット機能 社内外の関係者とテキストでやり取りができる機能

2.建設現場でファイル共有サービスを利用するメリット

建設現場でも大容量ファイルをやり取りする機会が増えたことから、ファイル共有サービスが求められています。

ここでは、建設現場で利用する5つのメリットを紹介します。

①現場からクラウド保管された最新データにアクセスできる

クラウド上に図面や施工図、工程表などの最新データをアップロードしておくと、工事現場からでもアクセスできるようになります。スマホ用アプリがあれば、パソコンを開かなくても最新情報を確認できるようになり、業務効率化が可能です。

また現場から進捗状況の写真や日報をアップロードすれば、作業後に事務所に戻らなくて済むので無駄な時間を削減できます。

②煩雑なNAS管理からクラウドへ移行できる

クラウド型のファイル共有サービスは、これまで建設業でデータ管理や共有に使用されていたNAS(ネットワークアタッチストレージ)の代わりとなります。

NASはVPNを設定していなければ現場からデータを閲覧できず、アクセスできたとしても速度が遅く時間がかかっていました。またNASの故障や容量不足で、データ共有が滞ることもある点が課題です。

一方、クラウドサービスなら端末の故障に依存せず、容量も柔軟に変更できます。ネット環境があればスムーズにアクセスでき、NASよりもデータ管理や共有がシンプルになります。

③協力会社とデータを安全に共有できる

協力会社とデータを安全に共有できる点もメリットのひとつです。

協力会社の担当者を招待した場合でも、ファイル共有サービスのセキュリティ機能でアクセス制限を設定すれば、管理が容易になるためです。
建設現場は関わる人数が多く、従来のメール添付では最新の図面や工程表を送付するのに手間がかかっていました。

ファイル共有サービスを使えば、安全かつ効率的に大容量データの共有が実現します。

④ペーパーレス化を促進できる

ファイル共有サービスの活用で、ペーパーレス化を促進できます。過去の施工図や協力会社からのFAXなど、社内で管理していた紙の資料や写真をデータ化してファイル共有サービスにアップロードすると、紙の使用が減るからです。

あらゆる書類をクラウド上で管理することで、出先からでも確認できるようになり、事務所に戻る必要がなくなります。

さらにコピー代や管理業務が減るなど、コスト削減効果もあります。

⑤履歴から過去のバージョンも閲覧できる

自動バックアップ機能があるファイル共有サービスなら、ファイル更新の履歴が残っているため、過去のバージョンにもアクセスできます。

たとえばクライアントからの要望で以前の図面に戻したいときに利用すれば、過去の図面と現在のバージョンを比較できます。

また災害や事故で会社のシステムが壊れてしまっても、これまでのデータはクラウド上に保管されているためBCP対策にもなるでしょう。

無料で使えるファイル共有サービス『現場クラウドConne』はこちらから!>>

3.【無料版あり】建設現場でおすすめのファイル共有サービス5選を比較

建設現場でおすすめのファイル共有サービス5選を紹介します。無料版を使えるサービスもあるので、利用してみましょう。

名称 無料版 機能・特徴 コスト サポート体制
現場クラウド Conne 操作しやすく、誰でもストレスなくチャットや情報共有ができる。 ・初期費用0円
・月額1万円〜
JCCキャビネット 業務に合わせてカスタマイズができるクラウドサービス ・要問い合わせ
Fileforce ユーザー数無制限プランも利用可能 ・初期費用0円
・月額900円(1ID)〜
DirectCloud 通信の暗号化で高いセキュリティ対策を実装できる ・要問い合わせ
Photoruction ◯ スマホで撮影した写真はクラウドに自動保存される ・初期費用不明
・月額要問い合わせ

※2023年11月時点における情報をもとに記載しています。

①現場クラウドConne

出典:現場クラウドConneのホームページ

特徴

●建設業向けコミュニケーションツールで現場業務の効率化を実現
●シンプルで使いやすく、図面ファイルや資料を一元管理
●チャット機能や現場の予定を簡単に共有できる

費用

初期費用 0円
ランニングコスト 1万円~(20ID) ※無料版あり
容量 100GB/2,000円

お客様の声

●現場監督だけでなく社員全員で情報を容易に共有できるようになった
●リアルタイムに情報を共有できコミュニケーションが活発化した


②JCCキャビネット

出典:JCCクラウドのホームページ

特徴

●建設業向けクラウドシステム「JCCクラウド」を提供
●ファイル共有サービス「JCCキャビネット」で施工写真や図面などを共有できる
●工種やキーワードの入力で簡単にファイル抽出が可能

費用

初期費用 要問い合わせ
ランニングコスト 要問い合わせ ※お試し使用が可能
その他オプション 既存システムからの大量データ移行など

お客様の声

●下請け業者の労災保険加入情報を集約でき、管理が容易になった
●現場から日報を入力できるようになり、業務の迅速化につながった


③Fileforce

出典:Fileforceのホームページ

特徴

●シンプルな構成で大容量ファイルも扱いやすい
●多要素認証やSSOで効率的なセキュリティ対策を実現
●ユーザー数無制限の月額料金で使用できる

費用

初期費用 0円
ランニングコスト 900円/1ID ※ユーザー無制限プラン有、30日間無料トライアル有
その他オプション 全文検索機能「Unlimited Pro」117,600円

お客様の声

●セキュリティが高いクラウドサービスとNASの併用でDXを推進できた
●全社のファイルサーバーをクラウドサービスに統一でき、効率的な管理が実現した


④DirectCloud

出典:DirectCloudのホームページ

特徴

●エクスプローラーから操作でき使いやすいクラウドストレージ
●部署ごとに機能やアクセス権を設定できる
●通信の暗号化で高いセキュリティ対策が可能

費用

初期費用 要問い合わせ
ランニングコスト 要問い合わせ ※無料トライアルあり
その他オプション SSO認証、API連携、災害対策バックアップなど

お客様の声

●導入前は複数回に分けて大容量データを転送していたが、導入後は十分な容量がありストレスなく利用できるようになった
●大容量のCADデータもスムーズにやり取りできるようになった


⑤Photoruction

出典:Photoructionのホームページ

特徴

●大量の写真もアップロードするだけで自動整理される
●BPO機能でソフトウェアからの建設業務を自動化
●スマホから工事情報を入力でき、撮影写真はクラウドに自動保存される

費用

初期費用 0円
ランニングコスト 要問い合わせ ※無料版あり
その他オプション セキュリティアップ、書類テンプレート作成代行など

お客様の声

●写真整理が効率化され現場の状況を可視化しやすくなった
●写真を整理する工事黒板の機能があり、撮影にかかる時間が短縮された

4.ファイル共有サービスの比較ポイント

続いて、さまざまなファイル共有サービスを比較するポイントを紹介します。

①容量を柔軟に追加できる

データ容量が十分にあり、柔軟に追加できるかを確認することが大切です。
現場DXが進み建設業界で扱うデータの容量は増加しているため、余裕のある容量を選びましょう。

②セキュリティ対策を確認する

データを保護するために、ファイル共有サービスのセキュリティ対策を確認しましょう。
自社のセキュリティポリシーと合致していて、アクセスを一元管理できるサービスを選ぶ必要があります。

③直感的に操作しやすい

建設現場ではITデバイスに慣れていない作業員も利用するため、直感的に操作しやすいツールを導入しましょう。
複雑な機能が多いと使われなくなってしまうので、まずは最低限の機能を搭載しているサービスを選ぶことが大切です。

④利用可能な端末が充実している

建設現場でも利用できるように、パソコンだけでなく、スマホやタブレットからもアクセスできるサービスがおすすめです。
スマホやタブレットのアプリからアクセスできれば、手軽に写真や資料をアップロードできます。

⑤十分なサポート体制がある

ファイル共有サービスの導入時はもちろん、導入後もサポート体制があるツールを利用しましょう。
チャットやメール、研修などを通じて、効果的な使い方を業務内容に合わせて教えてもらえると社内に浸透しやすくなります。

5.ファイル共有サービスを運用する際の注意点

ファイル共有サービスを運用するうえで注意したい2つのポイントを紹介します。

①アクセス権限を設定する

ファイル共有サービスの運用時は、どのファイルに誰がアクセス・編集できるか権限を設定することが大切です。
誤ったアクセス権限を設定すると、情報を変えられたり漏洩したりするなどのリスクが発生します。部外者に社内の機密資料を閲覧されることがないよう注意しましょう。

②インターネット環境を整える

ファイル共有サービスを効率的に運用するには、インターネット環境を整える必要があります。
回線の速度が遅いと編集しにくくなるため、現場事務所からでも作業できるようモバイルWi-Fiの導入や、ネットワーク構築などに取り組みましょう

6.ファイル共有サービス選びに迷ったら現場クラウドConne

建設現場でのファイル共有サービスなら、現場クラウドConneがおすすめです。
Conneのドライブ機能では、クラウド上で簡単にデータ管理ができます。

更新ファイルは自動でバックアップしているため、後からでも過去のバージョンにアクセスが可能です。
またどれだけ多くのファイルを格納しても、キーワード検索で必要なデータをすぐに発見できます。

ほかにもタスク管理機能やチャット機能などが搭載されており、建設現場における情報共有を促進できる点が特長です。

実際に現場クラウドConneを利用して、NASからConneへデータ移行した事例を見てみましょう。

①【導入事例】NASからConneへ移行しデータ共有が効率化|堤工業株式会社

堤工業株式会社ではNASで工事のデータを管理し、VPNを使って現場から本社のNASにアクセスする環境を構築していました。

しかし、VPN接続ではアクセスに時間がかかり、外付けHDを持っていても安心できず、結局現場から本社に戻る必要がありました。

そこで現場クラウドConneへ移行してデータをクラウド管理したところ、どこからでもスムーズにアクセスでき、安心して活用できるようになったといいます。

またサポート体制も充実していて、質問をしてもすぐに回答を得られてストレスなく運用できる、と評価いただきました。

堤工業株式会社の事例はこちらから>>

7.まとめ

本記事ではファイル共有サービスの機能や建設現場で活用するメリット、おすすめのサービスを紹介しました。

クラウド上にアップロードするファイルは機密情報であるため、安全に保管できるサービスを選ぶことが大切です。
また充実したサポート体制を用意しているベンダーから利用することで、不明点を解消でき社内浸透につながります。

弊社が提供する「現場クラウドConne」は、建設業に特化したファイル共有サービスです。
複雑な操作はなく、ITツールが得意でない人も使いやすく設計されています。国際セキュリティ資格を取得しているため、安心してご利用いただけます。

充実したサポート体制を備えたファイル共有サービスなら、現場クラウドConneをぜひご利用ください。

お問い合わせ>>

SNSでシェア