建設業で容量の大きいファイルを送るとき、「大容量ファイル送信サービス」が活用されています。
大容量ファイル送信サービスは、送信者がWebサーバーにファイルをアップロードし、発行されたURLを受信者に送信。受信者はURLからアクセスし、ファイルをダウンロードして受け取る仕組みです。メールに添付してファイルを送るよりも、容量を気にせずスムーズな受け渡しが実現することから、広くビジネス利用されています。
しかし、大容量ファイル送信サービスのなかにはセキュリティ面で不安が残るものもあり、建設業ではセキュリティが強固された法人向けサービスが求められています。
この記事では、大容量ファイル送信サービスの基礎知識から、建設業で必要な理由、おすすめのサービス、無料版を利用するリスクまで紹介します。大容量ファイル送信サービスの導入をご検討の際は、ぜひ参考にしてください。

1.大容量ファイル送信サービスとは

大容量ファイル送信サービスは、送信者がWebサイトのサーバーにファイルをアップロードし、発行されたURLに受信者がアクセス、ファイルをダウンロードする仕組みです。「ファイル転送型」とも呼ばれています。
従来、ファイルの送付にはメールが主に使用されていました。しかし、容量が大きければファイルをうまくアップロードできず、送信できたとしても受信時に負荷や時間がかかっていました。
大容量ファイル送信サービスを活用すれば、アップロードしたWebサイトのURLを相手に送るだけなので、大容量ファイルでも効率的にやり取りができます。
なお、大容量ファイルの共有は「クラウドストレージ型」のサービスでも利用できます。下記の記事で、「ファイル転送型」との違いや特徴を詳しく解説しているので、ぜひ合わせてご覧ください。

関連リンク:【無料版も】建設現場で使えるファイル共有サービス5選を比較!

①ビジネスに役立つ機能

大容量ファイル送信サービスは個人間でも広く無料で利用されています。しかし、無料で使用されているサービスはセキュリティ面で不安が残り、ビジネス版と比べても機能に制限があります。
ここでは、ビジネス版の大容量ファイル送信サービスで利用できる機能の例を、以下の表で紹介します。

大容量ファイル送信サービスのビジネスに役立つ機能例
共有期限を設定する機能 6時間、1日、14日など共有期限を設定することで、部外者がファイルをダウンロードするリスクを減らせる
ダウンロード回数を制限する機能 無制限、1回、3回などダウンロードできる回数を制限することで、ファイルが必要以上にダウンロードされるリスクを減らせる
ダウンロード状況を確認する機能 相手の状況を把握でき、電話やメールなどで確認する手間を減らせる
パスワード設定機能 パスワードを設定することで、部外者にダウンロードされるリスクを減らせる
タイトルやメッセージを入力する機能 会社名や氏名、共有するファイルの概要を記載でき、受信者とコミュニケーションが取れる

2.建設業で大容量ファイル送信サービスが必要な理由

建設業に大容量ファイル送信サービスが必要な理由として、図面や現場写真や動画など、ファイルのやり取りが頻繁に発生する点があげられます。また建設DXの後押しもあり、ドローンによる点群データや解像度の高い画像など、データ容量が増加傾向にあります。
工事現場を円滑に進めるには、社内だけでなく、施主や協力会社などの社外関係者にも最新データをできるだけ早く送ることが重要です。
これまでは電子メールやUSBでやり取りするのが一般的でした。しかし大きいファイルはメールに添付するのが難しく、USBは紛失するリスクがあります。
そこでメールやUSBの利用を避け、簡単に大容量ファイルを共有できるサービスが求められるようになったのです。

関連リンク:現場DXとは?建設業や製造業でのメリットや事例、進め方を解説


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3.【無料版あり】建設業におすすめの大容量ファイル送信サービス6選

建設業におすすめの大容量ファイル送信サービス6選を紹介します。機能やコスト、安全性を比較しているので、参考にしてください。

名称 無料版 機能・特徴 コスト 安全性
現場クラウド Conne チャットやクラウドストレージを使い、スムーズなファイル共有を実現 ・初期費用0円
・月額1万円〜
tenpu 最大20GBのファイル送信、100GBのストレージ機能を搭載 ・初期費用0円
・月額1,078円〜
firestorage 会員登録なしで誰でも無料で使えるストレージサービス ・初期費用0円
・月額1,078円〜
オフィス宅ふぁいる便 セキュリティを重視した法人向けファイル転送サービス ・初期費用2万円
・月額3,000円〜
データ便 月間500万人が利用する、数GBのデータを転送できるサービス ・0円
・330円/1ID〜
sDrop ドラッグ&ドロップのシンプルな操作で利用できるサービス ・無料

※2023年11月時点における情報をもとに記載しています。

①現場クラウドConne

出典:現場クラウドConneのホームページ

特徴

●チャットやクラウドストレージなどを活用してスムーズなファイル共有を実現 ●共有後のデータの修正・削除ができる ●スマホアプリを使って現場からでもファイルを送信できる

安全性

●国際セキュリティ資格ISO27001(ISMS)を取得、AWSの国内リージョンを利用

費用

初期費用 0円
ランニングコスト 1万円~(20ID) ※無料版あり
その他オプション 容量追加が可能 100GB/2,000円

②tenpu

出典:tenpuのホームページ

特徴

●最大20GBのファイルを送信できる ●100GBのストレージ機能も搭載 ●受信者のダウンロード画面に表示される背景を変更できる

安全性

●パスワード設定が可能で、ファイルやデータ通信を暗号化

費用

初期費用 0円
ランニングコスト 1,078円/月〜 ※無料版あり
その他オプション アカウント・ストレージ追加

③firestorage

出典:firestorageのホームページ

特徴

● 会員登録なしで誰でも使えるオンラインストレージサービス ● 保存期間を設定でき、期間後は自動削除される ● 登録後、相手のダウンロード状況を確認できる

安全性

● ワンタイムURLで不正アクセスを防止

費用

初期費用 0円
ランニングコスト 1,078円/月〜 ※無料版あり
その他オプション

④オフィス宅ふぁいる便

出典:オフィス宅ふぁいる便のホームページ

特徴

● 法人向けファイル転送サービスでセキュリティを重視 ● 社員の利用状況を管理でき、誰がいつどんなファイルを送信したかがわかる ● ウイルス対策、ダウンロード通知機能、アドレス帳機能などが搭載されている

安全性

● ISMSクラウドセキュリティ認証の認証登録を受けている

費用

初期費用 2万円
ランニングコスト 3,000円/月〜 ※初回申込後、無料期間あり
その他オプション アカウント数・ストレージ容量・データ通信量の追加

⑤データ便

出典:データ便のホームページ

特徴

● 数GBのデータを転送できるサービスで月間500万人が利用 ● 会員登録が不要で利用できる無料プランもある ● 有料プランでは容量が無制限でファイルを転送できる

安全性

● 受信者がダウンロード申請を行うセキュリティ便を用意

費用

初期費用 2万円
ランニングコスト 330円/1ID〜
その他オプション

⑥sDrop

出典:sDropのホームページ

特徴

● シンプルな操作で利用できる大容量ファイル転送サービス ● メールアドレスの登録で、ダウンロード状況などの通知メールが届く ● ログイン後、最大1GBのデータを転送できる

安全性

● 記載なし

費用

初期費用 無料
ランニングコスト 無料
その他オプション

4.ファイルをアップロードして送る・受け取る方法

大容量データの送受信でも、ファイル送信サービスなら簡単なステップで完了します。ここでは、大容量ファイル送信サービスを使って、ファイルを送る・受け取る方法を紹介します。

①送る方法

ファイルを送る側は、以下の3つのステップで送信作業が完了します。 1. ドラッグ&ドロップでアップロード 2. 共有期限、ダウンロード制限、通知設定、パスワードなどの各項目を選択 3. 共有先を入れて送信する

②受け取る方法

受け取り側は、以下の2つのステップでファイルをダウンロードし、相手にメッセージを送信できます。 1. ファイルをクリックしてダウロード 2. 必要であれば、共有者にメッセージを送信

5.建設業で大容量ファイル送信サービスを利用するメリット

続いて、建設業で大容量ファイル送信サービスを利用する3つのメリットを紹介します。

①情報共有の迅速化につながる

大容量ファイル送信サービスを、図面や現場の写真、工程表などの共有に活用することで、情報共有が促進されます。事務所で図面や工程表に変更があった場合、メールやUSBで送付するよりもスピーディにデータを送信できるからです。 また現場の進捗状況を動画や写真に撮って、データをファイル送信サービスで転送すれば、リアルタイムで確認が可能です。

②低コストで利用できる

大容量ファイル送信サービスは、従来のUSBで郵送するよりも低コストで利用できる点もメリットです。USBにファイルを保存して送るには、本体と郵送料金がかかります。 一方、大容量ファイル送信サービスは、法人向けでも無料または低価格で利用できるものもあり、コストを抑えてファイル転送が可能です。

③シンプルな操作で使いやすい

大容量ファイル送信サービスは、シンプルな操作で使いやすい画面のものが多くあります。複雑な作業は必要なく、ドラッグ&ドロップで簡単にファイルを送信できます。そのため現場作業が多くパソコン作業に慣れていなくても、扱いやすいでしょう。

6.無料の大容量ファイル送信サービスを利用するデメリット・リスク

大容量ファイル送信サービスは無料で利用できるものもありますが、リスクが伴います。ここでは、無料版を利用するデメリットやリスクを解説します。

①情報漏えいリスクがある

無料版の大容量ファイル送信サービスは、情報漏えいの恐れがあります。一時的にファイルをインターネット上にアップロードする仕組みのため、海外にサーバーを置く無料サービスの場合では、データ保護に不安が残るからです。
また利用履歴が残らないものが多く、万が一情報漏えいなどのトラブルが起こった場合、履歴をたどって経緯を把握できないため、法人には向いていないといえるでしょう。

②広告が表示される

無料サービスのなかには、Webサイト上に広告が多く表示されるものも見られます。
初めてサービスを使用する場合、うっかり広告に触れてしまい、不審なWebサイトに誘導されたり、悪質なファイルをダウンロードしたりする可能性がゼロではありません。トラブルに巻き込まれる恐れがあるので、ビジネス利用には注意が必要です。


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7.大容量ファイル送信サービスを選ぶポイント

続いて、大容量ファイル送信を選ぶポイントを紹介します。ビジネス利用する場合は、とくに3つ目の安全性に注目して選ぶことが重要です。

①対応している容量

一度の送信でどれくらいの容量に対応しているかを確認しましょう。「大容量ファイル」といっても、転送できるデータの容量はサービスによって違うからです。普段、どれくらいの容量のファイルをやり取りしているかをチェックしてからサービスを選択しましょう。

②誤送信対策

誤送信してしまった場合、ファイルの修正更新や削除ができるサービスを選びましょう。ビジネス利用で誤送信してしまった場合、機密情報が漏えいするリスクがあるからです。重要なファイルが別の人に届いてしまうと信頼を失うので、誤送信対策のあるサービスを利用しましょう。

③安全性

大容量ファイル送信サービスを選ぶ際にもっとも重要なポイントとして、安全性があげられます。国内リージョンや暗号化、パスワード設定、送信履歴が残るかなど、安全性が確保されているかを事前に確認しましょう。ビジネス利用では、十分なセキュリティ対策のあるサービスを選ぶことが大切です。

8.安全に大容量ファイルを共有したいなら

安全に大容量ファイルを共有したいなら、「現場クラウドConne」がおすすめです。現場クラウドConneは国際セキュリティ資格ISO27001(ISMS)を取得し、インフラ基盤にAmazon Web Serviceの国内リージョンを使用している点が特長です。
さらに機密対策やデータ保護、ソフトウェアのセキュリティ対策を実施しているため、安心してご利用いただけます。

大容量ファイルの共有は、ドライブやチャット機能などを活用して簡単に行えます。プロジェクトやチームごとに非公開設定やアクセス制限ができるため、不用意に機密情報が漏れることはありません。 次に、現場クラウドConneを使って、複数のスペースを作成して大容量データを共有した企業事例をご紹介します。

①【導入事例】メールでは送れなかった大容量データも簡単に共有が可能に|株式会社マリン工業

株式会社マリン工業では、社内外の関係者との書類のやり取りでメールを頻繁に利用していましたが、常に容量を気にする必要があり不便を感じていました。また、ほかのクラウドサービスを利用したものの、動きが遅かったといいます。
そこで現場クラウドConneを導入したところ、ドライブを使った大容量データのやり取りがスムーズになりました。メールを使う機会が減り、業務効率化が実現。データ保存をローカルからクラウドへ移行したことで、担当者がいつでも必要な資料にアクセスできるようになりました。さらに協力会社や元請けへのデータ共有フローを構築し、大容量データの共有が迅速化しています。


>>株式会社マリン工業の事例はこちらから

9.まとめ

本記事では、大容量ファイル送信サービスの機能や使い方、建設業で利用するメリット、おすすめのサービスを紹介しました。大容量ファイル送信サービスのいくつかは無料で利用できますが、セキュリティ面が懸念されます。建設業では図面や契約書、工事写真など機密情報を多く取り扱うことから、安全面を考慮したサービスを選ぶことが大切です。
「現場クラウドConne」は、機密対策やデータ保護、ソフトウェアのセキュリティ対策を実施した、大容量ファイル送信サービスです。ドライブ機能を活用して、安全にデータのやり取りができます。さらにサポート体制も充実しているため、不明点やトラブルがあっても迅速に対応いたします。
大容量ファイルの受け渡しをスムーズに行いたい場合は、現場クラウドConneをぜひご利用ください。


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