現場管理とは、建設現場においてスケジュールや予算、品質、安全などの管理業務を行うことです。現場管理者は、建設現場の中で重要な役割を担うポジションだといえます。
本記事では、現場管理の基本的な仕事内容や役立つ資格、よく混同される施工管理との違いについて解説します。また現場管理の業務課題と具体的な解決策もご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
1.現場管理とは
現場管理とは、建設現場において次のような管理業務を行うことです。
●スケジュール管理
●予算管理
●品質管理
●安全管理
現場管理者は、建設現場の責任者として関係者に指示を出し、事故を防止しながら納期・予算内に完工させる必要があります。
「現場」というと、施工に従事するイメージもあるかもしれません。しかし、現場管理者の主な仕事はマネジメント業務です。設計図に基づいて工事が計画通りに進行するよう、建設現場を管理することが主な役割です。
①施工管理との違い
ここで、よく混同しがちな「施工管理」との違いを理解しましょう。
一般的に、現場管理に従事する人材は「施工管理」または「現場監督」と呼ばれます。施工管理と現場監督の業務内容や範囲に大きな違いはなく、多くの企業で同一の職種として扱われています。
しかし規模の大きい会社では、以下のように区別されている場合もあります。
施工管理 | 現場管理業務だけでなく、事務作業にも携わる |
現場監督 | 現場で職人に対して施工方法や事故防止対策を指導する |
②現場管理に役立つ資格
現場管理に役立つ資格として、以下の3つが挙げられます。
●施工管理技士
●主任技術者
●監理技術者
現場管理に携わる上で資格保有は必須ではありません。しかし取得しておくと管理業務に活かすことができるでしょう。
施工管理技士 | 建設業において重要な国家資格。 取得後、監理技術者または主任技術者として活躍できる。 |
主任技術者 | 具体的な工事の工程管理や品質管理など、施⼯技術上の管理を担う技術者。 請負⾦額の⼤⼩、元請・下請にかかわらず、必ず配置が求められる。 |
監理技術者 | 下請負人への指導や監督など、施工技術上の管理を担う技術者。 請負代金総額が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)の場合に配置が必要。 |
2.現場管理の仕事内容
現場管理の仕事内容について、さらに具体的に見ていきましょう。
①工期スケジュールの作成・管理
まずは、スケジュール管理です。工期内に手直しも含めて完工できるようスケジュールを作成し、進捗を管理する役割を担います。
工期が遅れてしまう原因として、自然災害や資材不足、人手不足などが想定されます。そこで事前に余裕をもってスケジュールを立てるのはもちろん、進捗が捗っていない場合は工程表を適宜組み直す取り組みも求められます。
適切にスケジュール管理を行うためには、日ごろから業務効率化に取り組み、現場の状況をリアルタイムで把握することが大切です。
②資材、機材、作業人数の調整
次に、現場作業に必要なリソース管理です。具体的には以下の項目を可視化し、適切に配置・調整を進めていきます。
●資材
●機材
●作業人数
工事規模に合わせて人員を配置し、工程管理表に必要な資材・機材の種類を反映させるなど、ムダや不足が発生しないよう管理する必要があります。
③予算管理
予算管理も現場管理の仕事です。工事で発生する経費を計算して、予算内に収める必要があります。利益を確保できなければ事業継続に影響を与えてしまうので、非常に重要な仕事だといえます。
具体的には「現場管理費」「一般管理費」を洗い出して計上します。これらの費目について詳しくは次項で見てみましょう。
1)現場管理費・一般管理費の計算
現場管理費とは、工事現場の管理にかかるコストを指します。具体的には、工事に関する保険料、事務用品、作業員の給与・福利厚生などが含まれ、現場管理費の目安は、全体の5〜10%とされています。
対する一般管理費とは、現場ではなく事務所内で発生するコストを指します。広告宣伝費や調査費などが含まれます。
各項目を明確に区別し、使用している物品がどちらの費目に該当するかを考慮しながら予算管理することが大切です。
④品質管理
次に、品質管理の役割もあります。品質管理とは、設計図や仕様書通りの品質に仕上がっているかを管理する業務です。具体的には、各工程で写真を撮影し、作業が正しく行われている証拠を残す作業が中心となります。
たとえば以下のような写真を撮影し、記録に残します。
●材料の荷姿
●鉄筋の状態
●コンクリートの打設状況
さらに現場をくまなく巡回し、作業員とコミュニケーションを取りながら進捗確認や修正の指示を行い、施工状況を管理する役割もあります。
⑤安全管理
安全管理も重要な業務の一つです。たとえば以下のような取り組みが含まれます。
●高所からの落下を防止するための手すりの設置
●機器の点検作業
●ルールを遵守した工法の実施
●天候や季節に応じた対策
また、安全管理の意識醸成を目的としたヒヤリハットの共有や、作業員の体調管理も含まれます。
⑥事務作業
現場管理には、事務作業も必要です。具体的には、以下のようなデスクワークを行います。
●施工計画
●安全確認書類
●指示書の作成
●進捗状況の報告
書類作成業務は、現場の関係者と連絡を取りながら進めていくことが重要です。
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3.現場管理の業務課題と解決策
前章で紹介したとおり、現場管理はさまざまな役割を担っている重要な仕事です。しかし、業務効率化がうまく進まず、課題を抱えている現場も少なくありません。
ここでは、現場管理における業務課題と解決策を具体的にご紹介します。
①紙の管理が煩雑になる
現場管理の仕事では、次のような紙の書類を大量に扱うことになり、管理が煩雑になりがちです。
●図面
●工程表
●見積書
●契約書
●請求書
紙・ファイルの保管場所も必要で、量が膨大になれば必要な書類を探すのに手間がかかってしまうでしょう。また、紙の書類を確認するために、現場から事務所に戻る必要がある点も課題だといえます。
1)解決策:ペーパーレス化を実施してドライブ保管する
解決策として、ペーパーレス化に取り組むのがおすすめです。
書類をデータ化してクラウドに保管し、わかりやすいファイル名をつけておけば、後から必要なときに検索してすぐに見つけ出すことが可能です。
クラウドに保管すれば事務所の省スペース化にもつながり、インターネット接続で現場や外出先、自宅からでもアクセスできるようになります。
②電話やメールではやり取りに時間がかかる
現場管理では、協力会社や発注者、作業員、事務員など、さまざまな関係者と密にコミュニケーションを取る必要があり、労力がかかります。電話やメールを使っている場合、全員と1対1で連絡を取ることになり、コミュニケーションに手間や時間を要するでしょう。
電話は1回のコールですぐにつながらなかったり、メールは相手の状況次第で返信に時間を要したりするケースも想定されます。
また、工事写真や新しい図面などデータを共有する際、メール添付では容量に上限があり、郵送では何日もかかってしまうでしょう。
1)解決策:スマホアプリのチャット機能を活用する
工事関係者間でチャットができるスマホアプリを関係者全員がダウンロードすれば、スムーズなコミュニケーションが促進されます。
たとえば現場ごとにさまざまなグループを作成しておけば、そのグループのメンバーに必要な情報だけが共有されます。
また、現場写真や書類などを添付してチャットに送ると、パソコンを開かなくてもスマホから確認できるため、情報共有の迅速化に役立つでしょう。
③資材や機材、作業員のスケジュールを把握しにくい
工事を工期通りに完了させるためにはスケジュール管理が重要です。しかし、資材や機材、作業員などの情報をエクセルや現場のホワイトボードなどで管理していては、「どこに」「いつ」「誰が/ 何が」配置されているかをすぐに把握できず、煩雑になりがちです。
1)解決策:スケジュールを可視化する
スケジュールを可視化することで、一目で作業員や重機などの配置・使用状況がわかるようになります。
たとえば、スケジュール管理ができるアプリを用いて可視化すれば、作業員個人の予定や、機材の試用状況を把握できます。急な予定変更があってもスケジュールを組み直しやすくなり、業務効率化が期待できるでしょう。
4.現場管理には施工管理アプリConneがおすすめ
現場管理の仕事内容は多岐にわたるため、業務効率化につながるアプリを利用するのがおすすめです。
ビジネスの情報共有・業務効率化を目的としたアプリは数多くありますが、現場管理には建設業に特化した「施工管理アプリ」が適しています。
施工管理アプリのひとつである「現場クラウドConne」は建設現場のコミュニケーションツールとして非常に有用です。シンプルで使いやすい機能が揃っており、現場の効率を大幅に向上させます。
たとえば、現場関係者間でのファイル共有やチャット機能を通じて迅速な情報共有が可能です。また、タスクやスケジュールの管理機能を利用すれば、進捗状況の把握・管理が容易になります。そのほか、社内稟議や各種申請・承認をペーパーレス化し、オンラインで完結できる機能も利用可能です。
現場の円滑な運営と、迅速なコミュニケーションが実現し、工期の短縮や品質向上に寄与するでしょう。
無料版あり|建設現場で活躍する代表的な施工管理アプリ7選を徹底比較①【導入事例】機材や社員の予定を共有|株式会社丸建技術
測量・建設コンサルタント業の「株式会社丸建技術」は、スケジュール管理の課題を「Conne」で解決しました。
業務予定や作業員・機材の予定を「Conne」のカレンダーに登録し、全社でリアルタイムに共有。これにより、社内打ち合わせの削減や効率的な業務遂行が実現し、業務の進め方が改善されました。リアルタイムでの情報共有が可能になり、調整がスムーズに行えるため、業務効率が大幅に向上したといいます。
②【導入事例】電話の代わりに情報を確実に社内で共有|セフティライフ株式会社
総合建設業の「セフティライフ株式会社」は、電話伝達では困難だった情報共有を「Conne」を通じて解決しました。
スマホから部署や物件ごとのスペースで情報共有を行い、スケジュール機能を活用して予定管理を実施。社内の情報共有が円滑になり、建設部だけでなく不動産部でも広く活用されるようになりました。
結果として、社員全員が最新情報にアクセスできるようになり、業務の段取りがスムーズになったそうです。
まとめ
現場管理は、スケジュール管理や予算管理、品質管理など、いくつもの重要な役割を担っています。
しかし関係者間でコミュニケーションが不足すると、要点の確認不足や、情報の伝達ミスなど、現場運営に影響を及ぼします。そのため現場運営に必要な情報の可視化・透明化が非常に重要です。
現場関係者間のコミュニケーション不足や、すれ違いにお悩みの場合、関係者全員のスマホに施工管理アプリを一つ導入するだけで、大きく状況は変わると期待できます。「現場クラウドConne」について以下のページで詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。