建設業で、「日々の業務を効率化したい」「書類やスケジュールを確認するために、毎回事務所へ戻る手間をどうにかできないだろうか」といった悩みを抱えている企業も多いのではないでしょうか。
そのような悩みの解決を後押ししながら、生産性向上に役立つのがクラウドサービスです。クラウドサービスを活用することで、施工スケジュールや図面、書類、工事写真などを管理したり、関係者と容易に共有したりできるようになります。
本記事では、建設業でクラウドサービスを利用するメリット・デメリットや、選び方のポイントについて紹介します。
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目次
1.建設業でクラウドサービスが必要とされる背景
2.建設業におけるクラウドサービスの利用率は8割以上
3.建設業でクラウドサービスを利用するメリット
4.建設業でクラウドサービスを利用するデメリット
5.建設業向けクラウドサービスの例
6.建設業向けクラウドサービスの選び方
7.建設業向けクラウドサービス「現場クラウドConne」
8.まとめ
1.建設業でクラウドサービスが必要とされる背景
まずは、建設業でクラウドサービスが求められる背景について見てみましょう。
建設業はいま、慢性的な人手不足や少子高齢化、残業規制による長時間労働の禁止など、さまざまな課題を抱えています。とくに大きな課題として深刻な人手不足が挙げられ、若い世代の担い手不足と高齢化が進行しています。
また、建設現場での仕事は天候などの影響で工程が遅れてしまうことも珍しくありません。工期に間に合わせるために残業や、休日出勤を行っていた現場も少なくないはずです。しかし、2024年4月以降、法令によって残業時間は原則で「月45時間(年360時間)」と定められました。
このような諸課題を解決するために、時間外労働の是正や、若手・女性の積極採用などはもちろん、クラウドサービスの活用による生産性向上が求められているのです。
クラウドサービスとは、インターネットを介してサーバーやソフトウェアを利用することで、施工スケジュールや図面、契約書、工事写真などを管理したり、社内や取引先と共有したりできるサービスを指します。
インターネット環境が整っていれば、スマートフォンやタブレットからでもアクセスでき、現場から事務所へたびたび戻らなくても、必要な情報をチェックできる点が特長です。業務効率化やスムーズな情報共有に役立つとして、いま注目されています。
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2.建設業におけるクラウドサービスの利用率は8割以上
建設業におけるクラウドサービスの利用実態について見てみましょう。
総務省の2023年におけるクラウドサービスの利用状況に関する調査結果によると、建設業でクラウドサービスを「利用している」と回答した企業は87.7%で、8割以上にのぼることがわかりました。一方、「利用していない」と回答した企業は10.2%とわずかで、製造業や運輸業・郵便業よりも利用割合は高いという結果が示されました。
このデータから、建設業でもデジタル化が進んでいて、業務効率化に取り組む企業が増えているといえます。今後、企業として生産性向上を図り、事業を維持・拡大させるために、クラウドサービスの活用は欠かせないと考えられます。
3.建設業でクラウドサービスを利用するメリット
ここからは、建設業でクラウドサービスを利用するメリットについて見ていきましょう。
①情報共有がスムーズになる
クラウドサービスの利用で、情報共有がスムーズになる点がメリットの一つです。
これまで、図面やスケジュールなどを事務所から現場・取引先などへ送る場合、電話やFAX、メールを使ったり、事務所にその都度足を運んだりする必要がありました。
しかし、電話での会話は、認識違いから後で「言った・言わない」のトラブルにつながる可能性があります。また、共有する資料のボリュームが多い場合には、FAXやメールでは送付しづらいこともあり、情報共有に手間のかかる点が課題だといえます。
一方、クラウドサービスを利用すると、現場でスマートフォンやタブレットから必要な情報にすぐにアクセスでき、リアルタイムで情報共有が可能になります。図面の修正や工程の変更が生じても、クラウド上のデータを更新すれば、取引先を含めた関係者全員が最新の情報を確認できる点が大きなメリットです。
また、やり取りの履歴が残るためコミュニケーションの透明性が高まり、「言った・言わない」のトラブルも防止できるでしょう。
②業務効率化につながる
クラウドサービスの活用によって、業務効率化が実現すると期待できます。
たとえば、クラウド型の原価管理システムに搭載されている自動計算機能を利用することで、Excelの表計算や電卓を使った手計算で管理するよりも、効率よく正確に数値を処理できるようになります。
また、施工管理においても、クラウドサービスの利用でスケジュール管理や進捗状況の把握がリアルタイムで可能になるでしょう。工程の遅れが生じた際には関係者が問題点などを早めに把握でき、その後の対応が迅速になると期待できます。結果として、生産性向上にもつながるでしょう。
③ペーパーレス化が実現する
ペーパーレス化を推進できる点もメリットとして挙げられます。
建設現場では、図面や施工計画書、工事写真、日報、契約書など、大量の書類を取り扱うため、保管や管理に手間がかかります。さらに、コピー用紙代や印刷代、郵送費といったコストもともない、負担が大きいと感じている企業も少なくないでしょう。
そこで、クラウドサービスの活用で書類をデジタル化し、クラウド上に保管してペーパーレス化を図ることで、紙の保管スペースは必要なくなります。さらに、書類の検索や管理が容易になり、印刷・郵送コストの削減にもつながります。
書類の紛失・劣化のリスクも低減できるなど、さまざまな効果を期待できるでしょう。
4.建設業でクラウドサービスを利用するデメリット
クラウドサービス活用にはさまざまなメリットがある一方で、導入前に留意すべき点も挙げられます。具体的には、以下の3点が挙げられます。
①慣れるまで時間がかかる可能性がある
関係者がクラウドサービスの操作に慣れるまでに時間がかかる可能性があります。とくに、普段の業務でパソコンなどに触れる機会が少ない現場作業員は、クラウドサービスの活用に苦手意識を持つこともあるでしょう。
そこで、関係者にとって直感的に使いやすいツールを選ぶことが重要です。
②複数のクラウドサービスを使うと管理に手間がかかる
業務内容に応じて、複数のクラウドサービスを導入すると、管理・運用に手間がかかる可能性も考えられます。
たとえば、スケジュール管理、チャット、工事写真管理など、それぞれ別のクラウドサービスを使うと各サービスへのログイン管理や従業員への研修など、社内IT担当者の負担が大きくなるでしょう。
また、複数のクラウドサービスの利用料金が毎月発生し、コストがかさむ側面も考えられます。さらに、ITツールが苦手な作業員にとっては、すべてのサービスの操作方法を覚える負担が生じる点も懸念されます。
そこで、クラウドサービスを選ぶ際には、なるべく多くの機能を一つのサービスで利用できるものや、あらかじめ必要となる機能を厳選してから適切なサービスのみを契約する必要があるでしょう。
③情報漏えいのリスクがある
クラウドサービスは、不特定多数の人がアクセスするインターネット経由で利用するツールです。悪意を持った第三者からの不正アクセスによる、情報漏えいリスクがあると考えられます。
個人情報など、企業にとって重要なデータが流出してしまうと社会的信頼が低下する恐れがあるでしょう。そこで、堅牢なセキュリティ対策が施されたサービスを選ぶことが重要です。
5.建設業向けクラウドサービスの例
ここからは、建設業向けのクラウドサービスの例をいくつか紹介します。
①施工管理システム
施工管理システムは、書類・図面・写真・スケジュールなど、建設現場に必要な複数の機能を一元管理できるツールです。
インターネット接続があれば、関係者はパソコン、スマートフォンやタブレットから重要な情報へ手軽にアクセスできるようになります。また、同一のシステム内で関係者がチャットでコミュニケーションがとれるなど、連絡ツールとしても活用できます。
具体的な活用例は、以下のとおりです。
●現場から毎日事務所へ戻らなくても日報を提出する
●最新の図面を変更後すぐに確認する
●スマートフォンで部下からの確認依頼に対応する
施工管理システムを活用することで、現場と事務所の往復時間の削減や迅速な情報共有が可能となり、建設現場の業務効率化に大きく貢献するでしょう。
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②原価管理システム
原価管理システムは、建設業の原価や粗利を計算し、管理するためのクラウドサービスです。
原価の自動計算や見積書の作成、予算管理といった機能を利用可能です。Excelの表計算を使用する場合と比較して、正確かつ効率的に原価計算をできる点がメリットだといえます。
また、重要なデータを関係者間でリアルタイムに共有できるようになるため、経営上の重要な判断を迅速に行えるでしょう。
③図面管理システム
図面管理システムは、工事に必要な図面・資料などを一元管理できるシステムです。
クラウド上に保存するだけでなく、蓄積されたデータの検索機能や、読み込んだ図面データのPDF変換、一括印刷、バージョン管理などの機能が搭載されている高機能な製品もあります。
紙で図面を扱っている場合、受注数が増えるほど管理が煩雑になります。膨大な図面のなかから最新バージョンや、参照したい過去の図面を見つけるのは時間がかかるでしょう。また、管理スペースも必要で、コストがかかってしまいます。さらに、図面が更新されるたびに現場から事務所に戻って確認しなければならず、移動の手間・時間も必要です。
そこで、図面管理システムの導入でペーパーレス化を図ることで、タブレットなどを使って現場からでも簡単に図面の検索や確認が可能になり、業務効率化につながると期待できます。
④受発注管理システム
建設業向けの受発注システムは、受注・発注・請求管理などをまとめてできるシステムです。
たとえば、帳票確認依頼が発生した際などに、社内承認やデータの保存、帳票処理に関するスケジュール管理、請求書の作成や、入金確認などを一つのシステムで管理できるようになります。また、帳票に関するテンプレートがあらかじめ登録されているため、書類の新規作成も容易かつスピーディーになるでしょう。
協力会社と同じシステムを利用している場合には、受け取ったデータをそのまま自社システムに反映できるメリットもあります。受け取った帳票を見ながら自社の帳簿に転記したり、Excelの表に手入力したりする手間は必要なくなるため、大幅な業務効率化や人的ミスの低減につながると期待できます。
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6.建設業向けクラウドサービスの選び方
ここからは、建設業向けのクラウドサービスを選定する際のポイントをお伝えします。
①使いやすい
関係者のなかに若手が少なく、高齢化が進行している場合、ITツールの操作に慣れていない作業員も多いと考えられるため、使いやすいサービスを選ぶことがポイントです。
具体的には、操作画面がシンプルで、マニュアルを読み込まなくても直感的に使えるものがおすすめだといえます。一定期間、無料でお試し利用できるクラウドサービスもあるため、まずは使用感を試してみてから導入するかどうかを決定するとよいでしょう。
②サポートが充実している
クラウドサービスを提供する事業者のサポートが充実しているかどうかもチェックしましょう。
導入時だけでなく、運用開始後もサポートを受けられるかどうかを確認することが大切です。運用開始後にも相談の機会がある場合には、業務フローに合った使い方や、社内浸透の進め方、他社の活用事例、システムトラブル時などの対応方法についてアドバイスをもらえるでしょう。
事業者のサポートを受けずに自社だけで運用を進めようとする場合、IT担当者の負担が大きくなったり、「使い方がわかりにくい」といった理由で従業員に利用されなくなったりする懸念もあります。その結果、クラウドサービスの導入効果を得られない可能性もあるため、提供元によるサポート体制の手厚さも重視しましょう。
③必要な機能が搭載されている
自社の業務に必要な機能が過不足なく搭載されているかどうかを確認しましょう。
たとえば、工事写真管理や図面管理、工程管理、チャット機能など、複数の機能を一つのサービス内でまとめて利用できるかどうかをチェックします。一つのサービスに複数の機能がまとまっていることで、IT担当者の管理・運用の手間が省かれ、ムダなコストをかけずにすむメリットがあります。
また、複数のツールを導入する場合と比較して、作業員も操作を覚える負担が軽くなるでしょう。
④セキュリティ対策が実施されている
セキュリティ対策が実施されているかどうかも、重要なチェックポイントの一つです。そこで、クラウドサービスの提供事業者側が、以下の点に対応しているかを確認しましょう。
●アップロードしたデータの保護対策を実施しているか
●不正アクセス防止対策を講じているか
●情報セキュリティに関する認証(ISO27001など)を取得しているか
クラウド上には顧客情報や契約書、財務情報、図面データなど機密性の高い情報を格納することになります。万が一、情報が流出してしまえば会社の信頼低下のリスクもあるため、セキュリティ性の高いサービスを選ぶことが大切です。
7.建設業向けクラウドサービス「現場クラウドConne」
建設業向けクラウドサービスをこれから選ぶなら、「現場クラウドConne」がおすすめです。
「現場クラウドConne」は施工管理システムの一つで、建設現場のスケジュールやタスク、資機材管理など、さまざまな機能を搭載しています。また、コミュニケーションツールとしても活用できるため、「現場クラウドConne」を導入することで、施工管理に必要なさまざまな機能を一つのアプリでまとめて効率よく利用できるようになります。
加えて、セキュリティ面でも安心して利用できる点も特長です。国際セキュリティ資格ISO27001の取得や、機密対策、データ保護、各種機能のセキュリティ対策を実施しています。
アプリ運用開始後のサポート体制も充実していて、カスタマーサクセススタッフがお客様のお困りごとを丁寧にヒアリングし、一緒に解決していく体制を整えています。導入後の従業員向け説明会や、目的達成度のヒアリングなど、定期的な運用支援も受けられる点もメリットです。
①【導入事例】複数のツールをConneに集約|株式会社白海
続いて、「現場クラウドConne」を実際に導入している建設会社の事例を紹介します。
株式会社白海様は、業務効率改善の目的で「現場クラウドConne」を導入しました。以前は「業務連絡」「スケジュール共有」といった用途ごとに、複数の情報共有ツールを利用していましたが、情報が散逸してしまい、必要な情報を探すのに手間がかかる点が課題でした。
そこで、「スケジュール共有」「チャット」などさまざまな機能が一つにまとまっている「現場クラウドConne」に集約。その結果、複数のツールを立ち上げて確認する手間が減り、スムーズな情報共有が実現しました。
>>株式会社白海様の事例はこちらから
②【導入事例】スムーズな情報共有が実現|明治建設株式会社
明治建設株式会社様も、「現場クラウドConne」を活用しています。
同社では紙ベースで情報共有を行っていましたが、工事のたびに保管する資料が膨大になり、紙での保管に限界を感じていました。
そこで、「現場クラウドConne」を導入し、さまざまな資料を電子化して部門別・現場別・用途別などに整理して格納する運用方法に切り替えたところ、社員がいつでもどこからでも資料を参照できるようになり、業務効率化が実現しました。
>>明治建設株式会社様の事例はこちらから
8.まとめ
本記事では、建設業でクラウドサービスが求められている理由、活用メリット、留意点などについて解説しました。
クラウドサービスとひと口にいっても、昨今はさまざまなサービスがあり、「どれを選べばいいのかわからない」と悩んでいる建設関連会社の方も多いのではないでしょうか。
選び方の一つのポイントとして「業界特化型」にぜひ注目してみてください。業界特化型サービスは、建設業の現場で日々活用することを想定して、作業員の視点で使いやすく設計されている点がポイントだといえます。
「現場クラウドConne」も建設業に特化したクラウドサービスです。シンプルな画面で、誰にとっても使いやすく、まずは無料で気軽にお試しいただけます。建設業に合ったクラウドサービスをお探しの企業様は、ぜひお問い合わせください。